号泣/連載エッセイ vol.25
※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「ほねっこくらぶ通信 vol.27(2005年4月)」掲載(原文ママ)。
久々の「海外ネタ」である。
以前はBHScコースを受講する為、当たり前の様に渡米していたが、海外での必修単位を取得してしまうと自然に足が遠のいてしまい、気付けば丸2年パスポートを使わずに過ごしてしまった。
しかし今回の渡米は、その2年間のブランクを埋めて余りある数々のエピソードに彩られたものとなったのである。
小ネタは沢山ある。
まずはお約束の「入国審査トラブル」。
出入国の記録にミスがあるらしく、私は毎回すんなりとアメリカの土を踏めない。
前回は危うく強制送還されそうになった程だ。
(詳しくは、ほねっこくらぶ通信vol.15『ブルーラインズクラブへようこ
そ』参照。)
しかし今回は伝家の宝刀「昔のパスポート」を持参していた為、2~3時間順番待ちをしたものの、手続き自体はモメる事なく進行。
最後には片言のニホンゴを操る審査官とアメリカンジョークを交わしながらの入国となった。
驚いたのが「異常気象」。
やっと辿り着いたロスは40年振りの豪雨に襲われていたのである。
雨の降らない気候が映画撮影に適している事から栄えたこの街は、めっぽう雨に弱い。
スリップして横転する車を横目に、快調にとばすタクシードライバーが遠い目をして呟いた。
「ここに住んで30年になるが、こんな天気は初めてさ。
この街の人間に、雨の日の運転なんて無理なのさ…。」
そして私も心の中で叫ぶ。
「あんたもこの街の人間だろ~が!!スピードを緩め~い!!」
面白かったのが「客引き」。
何故か皆スペイン語で話しかけてきた。
最初は単に「マツケン・サンバ」の影響かと思い、気にも留めていなかったのだが(あっ!ブラジルはポルトガル語でした!!)、一緒にいる仲間達には怪しげな日本語で話しかける彼等が、私の番になると急遽「アミーゴ!!」と切り替える様を見るにつけ、自分の国籍不明な風貌に感慨もひとしおであったのは言うまでもない。
しかし何と言っても今回の滞在で、その他の出来事を吹き飛ばす位インパクトがあったのは、ラスベガスにて開催された世界最大のカイロプラクティック・イベント「パーカーセミナー」への参加である。
会期中、まさに「筆舌に尽くし難い」濃密な数日間を過ごし、最終日『We are the world』が会場に流れる中、何千と集まった世界中のカイロドクター達に次々ハグされながら「日本のカイロを頼んだぞ!!」と闘魂を注入された私は、言葉が出るより先に感動と決意の涙で応えていた。
大の大人の「号泣」である。
そして世界の同胞達は、そんな感極まって意味不明の言語を発しながら泣きじゃくるラテン系東洋人の大男に苦笑しながらも、更に熱い抱擁で激励してくれたのだった。
今思えば、男性のドクターだけではあったが…(いや、別にいいんだけどね)。
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