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記事一覧

ブックガイド(166)「超合理的ミステリーの書き方」(中山七里)

三か月で一冊のペースでエンタメ作品を量産する中山七里さんの創作メソッドが赤裸々に語られる…

栗林元
2週間前
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ブックガイド(166)「まほり(上・下)」高田大介

大学院の社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会で…

栗林元
3週間前
3

ブックガイド(165)「首輪物語」(清水義範)

作者お得意のパスティーシュ(文体模倣)もの。同時にパロディにもなっている。収録作品は以下…

栗林元
3週間前
2

ブックガイド(164)「ねじの回転 FEBRUARY MOMENT」(上・下)

時間遡行装置の発明された近未来、人類に良かれと過去に介入した国連は、歴史を捻じ曲げたこと…

栗林元
3週間前
4

ブックガイド(163)「アルマジロの手 宇野鴻一郎傑作短編集」

本年8月に亡くなった宇野鴻一郎さんの初期短編集。芥川賞受賞作家なのだが、私が親の書棚から…

栗林元
1か月前
3

ブックガイド(163)「超怖い物件」(講談社文庫)

短編集。いわゆる「心理的瑕疵あり」な事故物件ホラーである。 全11篇・文庫オリジナル。 書…

栗林元
1か月前
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ブックガイド(162)「東京駅おもてうら交番・堀北恵平 」シリーズ

シリーズ全8冊を一週間でコンプリート。8月に長編リリースして以来、脳みそを読者モードに切り替えて読書三昧。ああ、気持ちいい。 第一巻で、恵平と平野が迷い込んだ東京駅うら交番。そこは、今現在の令和の交番ではなく昭和33年の交番だった。そこの巡査・柏村が秘かに追いかける迷宮入りの殺人事件と、恵平たちの追う事件が絡み合い。シリーズを追うごとに時代を超えた犯罪の手がかりが見つかっていく。 昭和と現代を行き来するミステリーもめずらしくはなくなったが、このシリーズが優れているのは、その世

ブックガイド(161)「MASK 東京駅おもてうら交番・堀北恵平 」

「比奈子」シリーズに続く、警察ニューヒロイン堀北恵平(けっぺい)のシリーズ第一作目! 東…

栗林元
1か月前
2

ブックガイド(160)「ぜんしゅの跫(あしおと)」澤村伊智

比嘉姉妹シリーズ第5弾! 2015年に「ぼぎわん」で登場した比嘉姉妹の登場する短編連作。 表の顔…

栗林元
1か月前
3

ブックガイド(159)「メデューサの首」内藤了

令和元年12月の文庫書き下ろし作品。 帝国防衛医科大学の微生物学者の坂口が主人公。彼は死ん…

栗林元
2か月前
2

ブックガイド(158)「延暦十三年のフランケンシュタイン」山田正紀

「SFアドベンチャー」誌に四号に渡って連載された伝奇ロマンである。 当時、読みそこなってい…

栗林元
2か月前
3

ブックガイド(157)「パンドラ 猟奇犯罪検視官 石上妙子」

「猟奇犯罪捜査班」の“死神女史”こと石上妙子の、若かりし頃の事件。 「ON 猟奇犯罪捜査班・…

栗林元
2か月前
2

ブックガイド(156)憑依作家・雨宮縁シリーズ

 俗にハンター・シリーズと呼ばれる内藤了の人気シリーズ。全五冊。  人気推理作家・雨宮縁…

栗林元
2か月前
4

ブックガイド(156)「バリ山行」

 オーソドックスなスタイルの文学でそれだけに読み応えあって、一気に読了した。新田次郎の作品「孤高の人」を思い出した。作中でも「加藤文太郎を気取ってるのかよ」と言うセリフがあるし(加藤文太郎は「孤高の人」の主人公の登山家)  内装工事大手から外装修繕の中小企業に転職した主人公。社内の知人に誘われて山へ行くようになる。やがて山に魅入られてサークルで山行をするようになるのだが、社内にはいつも一人で登山路以外の道を上るいわゆるバリ山行をする風変わりな社員がいることを知る。バリはバリエ