更年期にでるイライラ
今までとはまた別の、時に激しい怒りの矛先が向けられることがあります。
そして共通なのが「理不尽に・・」
本人が一番困って、一番自己嫌悪に陥る症状でもあります。
家庭の中でも困ったり、職場でも気がついたら孤立していることも・・
今回は、そんなイライラに対する対処法について書いてみました。
更年期のイライラは特別
更年期に入る前は、おだやかだった人がイライラし始める
更年期に入る前も、イライラしていたけど、なお一層イライラしている。
更年期に入ってからいつも怒っている
八つ当たりされた
母と言い合いをして、取っ組み合いの喧嘩になった
母と喧嘩したら、お皿が飛んできた
母と喧嘩したら、包丁突き付けられた
母が最近、急に理不尽な怒りかたをする
これらは、本当の話です。
私が今までいろいろ聞いた話や講義に行っている大学生の講義の感想文に書かれている内容です。
大学生は、母親が更年期世代
母親のイライラに悩んだり反抗する姿が垣間見えてきます。
仕事をしていても、確かに先輩に理不尽に怒られたり、イライラをぶつけられることがありました。
更年期に関する相談をお受けしていますが、その中でも「家族にイライラして当たってしまい、気がついたら私の周りから家族が消えているの、そして自己嫌悪に陥って悲しくなる・・」
と、話される方もいます。
更年期のネガティブなイメージもこういうところからきているのかもしれません。
更年期のイライラを解決できれば、家庭内も会社も、社会全体がもう少し穏やかになるのではないかと思います。
なぜ、更年期にイライラするのか?
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つに分類されます。
交感神経が優位に働くと汗をかく・心拍数が上がり、副交感神経が優位に働くとリラックスし眠くなる・血圧が下がる・心拍数が減るなどがみられます。
更年期にはエストロゲンが減少することで、自律神経がアンバランスになり交感神経が優位になるとホットフラシュやイライラなどの不調が出現すると言われています。
しかし、今は心を安定させる幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌にはエストロゲンが関与していて更年期にはいり、エストロゲンが減少するとセロトニンも減り、これも更年期にイライラする理由のひとつです。
エストロゲンを補わなければ(ホルモン補充療法)、セロトニンも減少のままです。
ならば、エストロゲンに頼らずにセロトニンを増やしましょう。
セロトニンを増やす方法
セロトニンを作るにはトリプトファンを含む食品をを摂る、
セロトニンの分泌を促すリズミカルな運動をする。
ウォーキング、ガムを噛む
貧乏ゆすりでも良いときいたことがあります(驚き!周りに迷惑が掛からなければコレも良し)
太陽にあたりしっかりと睡眠をとる
リラックスする
オキシトシンを増やす
エステやマッサージを受ける、おしゃべりをするなどオキシトシンを増やすとセロトニンの活性が期待できます。
女性ホルモンは、増やすことはできませんが、セロトニンやオキシトシンは自分次第で増やせるホルモン
自分でも増やす行動、工夫をしてみましょう。
イライラが爆発しそうになったら
アンガーマネジメントを学ぶと6秒ルールという言葉がでてきます。
怒りの6秒を我慢すれば、怒りを鎮めることができるというものです。
それには、自分にとっての「魔法のことば」を見つけましょう。
たとえば、「大丈夫」と7回言う「怒るな怒るな損するのは自分」と言う
ペットの名前を呼んでみるなど、自分の気持ちを抑えることができる言葉を考えてみましょう。
深呼吸3回でもいいです。
相手から離れるというのも一つです
くるっと後ろをみる、別な場所に行くなどもいいのでは
イライラが続いていたら
それでもモヤモヤしていたら
怒りを数値化してみる。10点満点の怒りメーターをイメージし「今回の件は7くらいかな、まだ大したことないな」など数値化することは、怒りを客観視することにつながります。
クッションを壁にぶつける、新聞紙をクチャクチャにして壁にぶつけるて怒りのエネルギーをもので発散させる
これは、実際に私が行っていた方法です。
壊れるものは後片付けがたいへんですからね、クッションや新聞紙であれば何も壊れません・・
力入れ過ぎて、自分の腕や肩が痛くなることはありましたが・・(笑)
予防線を張る
予防線をあらかじめはっておくことも、お互いの精神衛生にはいいですね。
たとえば、家族の目につくところに「機嫌が悪いから、話しかけないこと!」とか「イライラ中、触るな!」とか書いて貼っておく
会社でも予防線貼っておく方法があるといいのですが・・
家族に更年期症状であると説明しておく
家族は、家族なりに、なぜ理不尽に怒られるのか、なぜ物が飛んでくるのか不思議です、なにか病気になったのかと心配もします。
家族もイライラしていたら、最悪な状況になりかねません。
(夫も更年期、子どもの反抗期 VS 母の(妻の)更年期障害
今、自分が更年期でおきている症状であることを説明しておくと家族の理解を得られます。
病気でもなく、性格が急に悪くなったわけではなく更年期でホルモンのバランスが崩れ、一時的な症状であると話しておきましょう。
言いづらかったら、更年期に関する本に付箋を付けて「読んでおいて」と渡すのも1つです。
大学生への講義の感想文には、「母がなぜイライラしているのかわかった」「母がなぜ急に理不尽に怒り出すのかわかった」「母のイライラに自分もイライラしてはいけないことがわかった」「もっと優しくしよう」と書かれてきます。
お互いに知らないと、母子関係、夫婦関係などの家族関係が、職場関係が、危機的状況になってしまいます。
自分の第一感情を振り返る
そして、大事なこと
怒るというのは、第2感情と言われます。
第2感情の奥に第1感情が潜んでいて影響していることがあります。
不安、辛い、痛い、疲れた、虚しいなどの感情です。
これって、更年期の症状でもあります。
更年期の症状が、イライラや怒りを引き起こしているのかもしれません。
ただでさえも、この年齢は子供の進学、親の介護、仕事、夫との関係、子離れなど考えることが、たくさんあり、不安も生じやすい環境になります。
第1感情の元の原因を解消するのも、イライラを軽減する対処法のひとつと言えます。
婦人科を受診して治療を受ける
それでもなかなかうまくいかず、夫婦関係、親子関係、会社での人間関係に悪影響がでるようであれば、婦人科を受診してみましょう。
治療を受けて楽になることもあります。
カウンセラーがいる病院やクリニックもありますから、聞いてもらうというのも治療になります。
婦人科での治療をうけても精神症状が強く残っている場合は、婦人科の医師にも相談して精神科を受診することもお勧めします。
更年期のイライラには終わりがある
このような症状にも終わりがあります。
70歳80歳のおばあちゃんが同じようにイライラしていることは、あまりありませんよね。
いつまでも続く症状ではないので、時を待つのもひとつです。
更年期症状は5年位でおさまると言われているので、それまでのなんとか周りの理解を得ながら乗り切るのもひとつです。
それでも、どうしよう・・と迷うようでしたら、ハイジアでも相談をお受けすることができます。
自分を責めて、辛くなる前に、誰かに頼ってみてくださいね。
*2024年4月4日 リライトしました。
ハイジアでは、更年期に関する情報を定期的にメールでお届けしています