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第6話「狂気の脳内」
まるで静かな宇宙のような闇の中、
ゆめみは彷徨っていた。
そこでは星々が奇妙な色彩で輝いている。
ゆめみは最近忙しく、
なかなかゆっくり休みを取れていなかった。
脳の疲れから生じる病気や症状が、
ゆらゆらとゆめみのの周りに不気味な姿を現している気配を感じた。
彼女は自身の脳内に迷い込んだような感覚に陥り、現実と幻想が錯綜し始めていた。
ゆめみはそこにうつ病の姿を見つけた。
その姿は無気力で色褪せ、闇に包まれている。
彼女はそのうつ病の姿と対話を試みる。
ゆめみ: 「うつ病さん、あなたはなぜここにいるのですか?」
うつ病: 「私は脳の疲れとストレスから生まれる闇です。私が現れると、眠れず、食欲もなく、
心はずっと暗闇に包まれてしまうのです。」
次にゆめみは不安障害の姿を見つめた。
その姿は震えながら周囲を警戒している。
ゆめみ: 「不安障害さん、なぜそんなに怯えているのですか?」
不安障害: 「私は異常なほどの恐怖を感じる存在です。閉所や高所、社交場など、何かに対する不安が異常に高まり、日常生活に支障をきたしてしまうのです。」
そして、ゆめみの視線は失感情症の姿へと向かった。その姿は無表情で何事にも興味を示さない。
ゆめみ: 「失感情症さん、なぜ感情を見せないのですか?」
失感情症: 「私は情報過多の社会によって感情が麻痺してしまった存在です。脳で処理しなくてはいけない情報が多すぎて、自分の感情にまで目を向けることができないのです。」
最後にゆめみは自己愛人間の姿を見つけた。
その姿は肥大し、
歪んでいて他者を攻撃する傾向があった。
ゆめみ: 「自己愛人間さん、なぜ他人を攻撃したり、劣等感を抱えるのですか?」
自己愛人間: 「私は自己愛が歪んで肥大した存在です。ありのままの自分を受け入れることができず、他人を攻撃するか、必要以上に劣等感を抱えるのです。それは親世代から植え付けられた価値観と現実社会のギャップによって引き起こされる現代の苦悩なのです。」
ゆめみは四つの病気や症状の姿を見つめながら、
深い共感と慈悲の心を抱いた。
ゆめみ: 「私は君たちが苦しむ姿を見て、心が痛みます。私は君たちが健やかな状態に戻る手助けができる存在でありたいのです!」
彼女の言葉が宇宙に響き渡ると、
四つの姿がゆめみに微笑んだ。
四つの病気や症状: 「ゆめみよ、我々は脳の疲れと現代社会の産物である。君の優しさと理解が私たちを癒す力となるのだ。私たちはゆめみの内なる力を信じ、いつかその手によって克服される運命なのだ。」
ゆめみは心に希望と決意を抱えながら、彼らとともに未知なる旅路に向かう覚悟を固めた。
すると遠くからうっすらと聞き覚えのある声がする。
ネコ仙人 : ゆめみよ、そんなとこで寝落ちしとると風邪ひくぞぃ。
ゆめみはむくっと起き上がり、ゾンビのように部屋へ向かい、ベッドの上に倒れ込むように横たわった。
ネコ仙人は、そろりとその足元へ寄って行った。
ネコ仙人 : ついにはじまったかにょ♬おやすみ…。
ゆめみの夢はまだ、
つづく