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本棚
人の本棚を見るのが好きだ。
その人の読んできた本、好きなジャンルをひと目で知ることができ、なんとなくその人がわかる気がするからだ。
だが僕自身は本棚を見せるのが苦手だ。本棚を見るとその人のことを知れると思っているからこそ、知られるのはなんだか恥ずかしい。
読書自慢だと思われたくないし、読んでいる本を友人に知られたくない。だが、見せたい気持ちもある。人の本棚はとてもみたい。自分でも思う、めんどくさい。
だから今回はそんな自己顕示欲をここで満たそうと思う。そして思い出やらを勝手に語ってやろうという魂胆だ。
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これが今の僕の本棚の一軍の面々だ。来月からはっちゃん(彼女)の家に引っ越して2人で住むことが決まっているので、少しずつ持ってきては、作っている。はっちゃんはとてもおしゃれなので、りんご箱を本棚として使っていて、それを半分分けてもらった。2人とも本の量がとてつもないので入りきっては、いない。はっちゃんは売ったりして手放したりしているが、僕は本を売ったり捨てたりもできないタチなので、実家に無理やり送りつけている。
この本棚を見ていただいたらわかる様に、僕は爆笑問題が大好きだ。テレビやラジオはもちろん、(カーボーイに関しては何度も聴き直す)、本も太田さんが褒めた本や好きな本、腐した本も読んでいる。そして書いた本もほとんど読んでいる。爆笑問題名義のものも好きだし、芸人人語や天下御免の向こう見ずなども好きだ。だが何より好きなのが太田さんの書く小説だ。『マボロシの鳥』は小学生の時に人生で1番最初に買ってもらった本だ(家族は覚えていない)。最初に読んだ時は、小学生だから正直何が何だかよく分かってなかったが、中学生になって読んだ時面白れーーー!となり夢中になったのを覚えている。マボロシの鳥発売から2年後に発売された『文明の子』、本当に夢中で読んだし、今でも読み返すくらい大好きな世界観だ。そして最新作『笑って人類!』、発売と同時にサイン本を探す旅に出かけて、読む用と観賞用(サイン入り)2冊手に入れることができた。すごく重量があって、二段組。一見読むのに時間がかかりそうだとは思うが、次の日には読み終わるくらい面白かった。ネタバレは避けたいので詳しくは言わないが、笑いが詰まっていて、太田さんの良い人の部分もとても出ている。こんな世界になったら良いのになあと思う。
そんな尊敬している太田さんの影響で、向田邦子作品も読み始めた。今では好きな本を聞かれたら『思い出トランプ』と答えるくらい向田邦子が大好きだ。向田さん以外にこの思い出トランプの様な小説を書ける人はいないと思う。知らんけど。
今年の3月頃、たまに行く古書店で単行本を手に入れた。本当に嬉しかった。大好きな作品は単行本も揃えたかったので、本当に嬉しかった。そしてそのお店で『霊長類ヒト科動物図鑑』、『眠る盃』も見つけて入手できた。これは本当に僕のものなのか、こんな幸せな日があっていいのだろうか、とはっちゃんに何度も聞いたのを覚えている。
向田邦子以外にも太田さんに影響されて好きになった作家がたくさんいる。爆笑問題の事務所の名前の由来にもなった『タイタンの妖女』のカートヴォネガットはもちろん、太宰治、ジェフリーディーヴァーなんかも太田さんきっかけだ。
そしてジョン・アーヴィングも太田さんからの影響を抜きにしても、大好きな作家さんだ。
この棚にもある『ガープの世界』は僕の中で最も読み返した本No.1だ(思い出トランプもそうなんだけどもね)。ガープの世界は本当に面白い。何度読んでも笑ってしまう。主人公ガープのお母さんがまず面白い。ぶっ飛んでいる。ガープが可哀想に思う時があるが、読んでいくうちにそんなことないかと思い直すのも面白い。はっちゃんに貸したことがあるのだが、どうしても読み返したくなって奪い取ったこともとても良い思い出だ。
ここまで太田さんに影響されてばかりだが、自分で開拓した好きな作家さんもちゃんといる。川上弘美ははっちゃんにおすすめされた『センセイの鞄』や『パスタマシーンの幽霊』を読んで、まんまとハマってしまった。読んでいくうちに『どこから行っても遠い町』にたどり着いた。この本を読んで説明はできないが、価値観が変わった。説明はできないが。それくらい本当に好きだった。
小説の話ばかりしているが、絵本も好きでちょくちょく集めている。その中でも幼い頃から好きなのは『バムとケロ』『ぐるんぱのようちえん』で、実家にもあるが読みたくてこっちで買ったくらいだ。バムとケロシリーズは大人になった今でもかわいすぎてたまに読み返すし、ぐるんぱのようちえんは堀内誠一の絵がとても素敵で『くろうまブランキー』や『ほね』なんかも大人になって購入した。
漫画はあまり読んでこなかったのだが、『キテレツ大百科』と『コジコジ』と『ちびまる子ちゃん』がとても大好きだった。キテレツはアニメも面白いが、漫画も是非読んでいただきたい。はっちゃんに僕の今年の誕生日に藤子・F・不二雄ミュージアムに連れてってもらった。そこでドラえもんの面白さにやっと気づいた。
この前はっちゃんとさくらももこ展に行った時、『神のちからっ子新聞』に出会った。美術館だったのだが、笑いを堪えるのが苦しいほど面白かった。こんなに面白いものを僕はなんで知らなかったんだと思った。気づいたら購入していた。
最近になって、好きなものが増えている。大人になった今だからこそ、絵本や漫画の子どもの時には気付けなかったものがあると思う。どういったところとかは説明はできないが。
しかし子どもの頃から変わらない好きもある。それがこの本棚にある『パンテラ大全』と『堀内健康白書』だ。PANTERAは父の影響で聴くようになったメタルバンドで、再結成ができない状態だったが、ザック・ワイルドとanthraxのチャーリー・ベナンテが参加して復活、そして来日したのだ。本当に興奮した。絶対見ることのできないと思っていたバンドを、メンバーは違うとはいえ近くで観ることができたのだ。号泣した。メタルフェスで泣くとは思っていなかった。ギターのダイムバッグ・ダレルは僕が幼い頃に銃で撃たれなくなり、ドラムのヴィニー・ポールもご病気で亡くなっていて絶対に再結成はできないと思っていた。おふたりのことを思い出したり、父との思い出もたくさん蘇り号泣した。この本を読んでも号泣した。良かったら聴いてみて欲しい。
堀内健康白書は違う意味で泣いた。面白すぎるのだ。幼い頃からネプチューンのファンでこの本は僕のバイブルと言って良い。最近は蟹娘(妹)に喋り方が似てきたと言われるくらい憧れている人だ。
ジャンルはバラバラだが、本当に好きなものが詰まった本棚だ。本の並べ方だけみても、人の性格や人生が垣間見れると思う。
あ、いっぱい文章を書いたのでなんかもう眠たい。寝よ。おやすみなさい。