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考えるより行動した方が答えに近づく。深く考えたいなら尚更行動する。

いいカッコしたい。だから考える。

君はもっぱら考えることが好きな人だと思う。

だから、僕は君がもっと考えを深めることができるよう、なにごとも行動することが大事なんだよ、と伝えたい。

なにも「考えるより行動だ。いいから手を動かせ」
そんなふうに頭ごなしにいうつもりは一切ない。

そんなもの思考停止じゃないか、と感じられるのも心外だしね。
そもそも僕だって考えることは大好きさ。

まあ、なにか始めるときは必ず、

どんなふうに始めたらいいもんができるだろうか、とか
どうやったら上手くできるだろうか、とか
いつ始めたら効果的だろうか、とか

そんなことばっかり考えていたよ。

なにせ、なるべく楽をしたいしね。
それに、うまくできたらとにかく気持ちがいい。
加えて、スマートに仕事ができるとかっこいいしね。

ただ、なんだかうまくいかないんだ。

量、量、量!

こんな話を聞いたことあるかい?

ある時、大学の陶芸クラスでこんな実験をしたそうだ。
あるクラスは、量で評価を決める。たとえば20キロなら評価はA、15キロならBといった具合に。

もう一つのクラスは、質のみで評価する。自分で最高だと思う作品を思う存分作り上げ提出するんだ。

さて、ここで面白い事実が明らかになった。
はてさて、全作品中もっとも質の高い作品をだしたのは、量を求めたクラスだったそうだよ。

素晴らしい作品や教科書は過去にたくさんあったはずだ。
でも、質を求めたクラスはどうやらそこに行き着くことはなかったそうだ。残ったのは粘土の塊だってさ。

無知の知に遠く及ばず、自分というのは得てして知らないことを知らないもんだ。ところが自分は何もかも知っていると考えがちで、自分が無知だとは考えない。

当然、確かな答えを導く為に必要なこともわかっていると思っている。だから答えに繋がる方程式がなんでいるかもわかった気になっている。

だからかな。本質的な答えに近づくことはなかなかない。

当て推量より、物は試し。

たしかに何かをはじめる時に、素晴らしい方法が目の前にあればそれに飛びつくのが一番さ。

だから、調べる。
だから、考える。

しかしだ。君のその調べ方、考え方ははたして合っているんだろうか。

考えるよりも、先に行動してみること。

もちろん世界の誰に頼ってもいい。
なにせ、人間は社会性の生き物だ。協力してなんぼの生物だ。自分一人でできることは限られている。

やはりというか、人の認知には限界がある。だからこそ、協力するんだ。組み合わさることで、違う発想が生まれる。
知と知の組み合わせが新しい発想を産むとはよく言ったものだろ。

要は、君は思っているより物を知らない。僕もそうだということ。

であればこそ、自分はわかっているんだと当てずっぽうに進むんじゃなく、まず一歩を踏みしめてみる。

そうして、方向性を確かめる。
そうして、意外と知らないことに知る。

これは考えることを深める良いチャンスなのさ。
だからさ。まず一歩踏み出してみるってのは案外悪いことじゃあないのさ。

そうすることで無数の「試行錯誤」が産まれ、結果的に高い質を産み出せるんしゃないかな。

さらにだ。もし君が始めたその行動が、「世界ではじめての試み」だったとする。そうしたら、君は一生、最高の解法の迷路に閉じ籠ることになる。

ものの考え方だったり、理論だったり、生きるための教科書なんてものがあるとする。

それらだって最初は目の前に転がっている行動の結果から生まれるもんだ。行動するから結果が生まれる。

目につきやすい成功も、ついつい無視しがちな失敗も含めて、行動とその結果から解法が産まれる。

君が君の知識から捻り出す物、世界のどこかから探し当てるもの、いずれにしてもなにかの行動の結果を参照しているに過ぎない。

「君のこれから行うなにか」ってやつは、一寸違わず過去同じことが行われてきたんだろうか。

その解法を君は探し当てることができるのだろうか。

そう考えるとさ。どうにもまずはやってみるってことは、迷路に迷わず解法の手がかりを探す上でも有意義なことなんじゃないか、と思うのさ。

当て推量より、物は試しのはじめの一歩。
こいつがとにかく効率的。そう考えてもいいと思わないかい。

仮に、「世界ではじめての試み」ってやつが目の前に転がってきたら、もう最高さ。

徹底的に行動して、検証して、材料を集めて、君と僕の大好きな「考える」を好きなだけできるんだ。

こう考えると、「考える」よりも早くまずは「行動」そんなふうに体がうずうずしてきやしないかい?

僕はそんな気がしてるんだ。

そう考えると、「いいから、手を動かせ」なんて言葉すら、頭でっかちな僕に対しては、愛情あふれる言葉にも聞こえてきちゃうから不思議なもんさ。

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