ほっとらいん
あの日、私は心に深く誓った。
1人の時も幸せだと思える人と付き合おうって。
好き同士、楽しくあるために付き合っているのに
寂しいとか、悲しいとか、不安になるのは違う。
だから、1人の夜も安らかに眠れる人が良い。
だけど、ずーっと安心なんて、やっぱり無理。
心配性すぎて、どんどん悪い妄想が蝕んでいく。
元彼の浮気が、、古傷が、、とか何とか誤魔化す
けれど、そんなのただの言い訳だよね。
こんなにも幸せで、満たされているはずなのに、
あなたのせいじゃないのに、すぐに不安になって
勝手にぶつけてしまって、みっともないよね。
強いオンナになれなくて、本当に、ごめん。
※ ※ ※
「俺が不安にならなかったのは、努力してくれてたからなんだよね。気づけなくてごめん」
「もっといい解決策があるはず。一緒にちゃんと考えていこうよ」
ポロポロ零した拙い単語を大切に拾い、紐解き、
身勝手な不安や孤独なんかを、丸ごと抱きしめて
私よりも一生懸命に、頭を抱えて考えてくれる。
そうだった。
真っ直ぐで誠実な所が大好きなんだった。
昨日、交わした初めての約束。
耐えきれないほどの不安に襲われた時は、
LINEではなくMessageで伝えること。
自殺志願者が、相談所に電話をかけるように、
歯医者で、痛い時に右手を挙げて良いように、
あなたにだけ分かる新しいサインが生まれた。
これさえ使えば、すぐに駆けつけてくれる。
これ以上、1人で全てを抱えなくて良いのね。
いつ決壊しても瞬時に気づいてもらえるのね。
この命綱が、ダムが、あなたが、そっと後ろで、
手を広げて、ちゃんと受け止めてくれるから。
私の心は、前よりずっと軽やかになったの。
ねぇ、私もあなたのほっとらいんに、なりたい。