明日の飯なんかよりずっとずっとずっと
つけ襟、ポシェット、キーホルダー、ブローチ。
確かに生活には全く必要の無いムダなものかもしれないし、正直こんなもの無くたって生きていける。
だけど、私は、こういうちょっとした人生の煌めきを、ちゃんとぎゅっと握りしめていくことが、生きる意味ってやつなんだと思う。
明日の飯より人生の可愛さ。
些細な可愛さまで捨てるなんて、死んだも同然だ。
このところ、私は己の【可愛い】を見失っていた。
これで良いのだと言い聞かせて、信念を貫いて制作していたけれど、誰の心にも響かなかったり、商品が1つも売れなかったりして、その度に、心が折れかけた。
もう、いっそのこと、自分の感性なんかには蓋をして、売れそうな生活必需品を作った方が良いのかなんて、真逆の方向転換までしようかと思っていた。
そんな私に、初めてのポップアップショップの機会が巡ってきた。
学生時代の青春がいっぱい詰まった大好きな別府。
尊敬する先輩の雑貨屋さんを間借りして、世界で
一番心強い友達2人と一緒に、夢のような3日間。
私達の信じる“可愛い”ってやつを目一杯詰め込んで、これで駄目なら、もうお終いにしよう。
そうやって自分と約束して別府に足を踏み入れた。
「まぁ!可愛いわねぇ。全部いただくわ〜」
「インスタ見て来ました!可愛いすぎます!」
「か、かわいい、、ゆっくり見ても良いですか…」
はじめて出会うお客さんに、懐かしい友達まで。
忙しいのに、色んなところから集まってくれて、
可愛い可愛いと沢山褒めてくれた。
私達がゼロから考えた商品、配色、コンセプト、
まだまだひよっこの編み物達まで、次々にお迎え
してくれて、ほんとうに、幸せな空間だった。
こういう人と人との繋がりや、優しさや、温もりが
私達の求める【可愛い】の大正解ってことなんだ。
大好きな人のことを考えて、大好きな町に想いを馳せながら作ることが、何よりも大切なのだと、やっと気づくことが出来た。
これからも、私達の商品が、君の心をそっと温めて特別なお守りであり続けますように。