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ポトラッチズム!

破滅的で暴力的。けれど最も美しい贈与交換。

北米の民族間で行われてきた“ポトラッチ”

ある時期を迎えると、彼らは金銀財宝はもちろん家屋や家畜、生きていく上で必要な物資なんかも
丸ごと焼き尽くしたり、海に投げ捨てたりする。

相手よりも多く財産を捨てること。
こんなのは余裕なんだと見せつけ合うこと。
負けた一族は、隷属的な支配を受ける運命。

全てを投げ打ち、家族を守る。先祖への敬意。
一族としての誇りを賭けた儀礼という名の闘い。

ポトラッチは、命懸けの贈与だ。

❄︎ ❄︎ ❄︎

彼らの企画展をやってると聞きつけ、久しぶりに民族学博物館へ訪れた。

ここは、私と恋人が初めてデートした場所。
半年後に、またこうして君と歩けるなんてね。

初めて会ったとは思えない程、白熱しちゃって、
結局、展示の三分の一しか回れなかったっけ。

私の研究もウンウンと楽しそうに聞いてくれて、
両手いっぱいにいろんな国のお土産を抱えてて、
あー、絶対この人と付き合いたい。絶対絶対!!

なんて、生まれて初めてビビッときたんだよな。

今日も変わらず、私は大好きなポトラッチや、
贈与交換についてベラベラと話している。

「沖縄にも似ている儀礼あるけど、もしかして、それもポトラッチだったりするのかな?」

「クラ交換って脱退したい時どうするんだろう」

そうだった。こういう所を好きになったのだ。

私には思いつかない斜め上からの視点を持ち、
いつも新しい景色を一緒に見ようとしてくれる。
私の“面白い!”に120%で答えようとしてくれる。

半年ぶりの君の横顔は、やっぱり、いやより一層愛おしくて、頼もしくて、格好良かったんだ。

君を大好きになった1番の理由と、ときめき。
ずっとずっと忘れませんように。

博物館に行く途中、結婚式の前撮りをしていた。

もし、君と写真を撮ることになるなら、絶対に、
ここが良い。なんて、また直感で思っちゃった。

この夢、叶うのかな。叶ったら、幸せだろうな。

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