(BL小説)旅の終着 第四話
笛吹きの旅人、詠心の噂が都でちらほらと流れるようになった。半分は千里が布教したものだが、詠心の笛の音を聴いた者はみな詠心を褒め称え、周囲に話をするのだ。当然、人々は毎日のように輝信に呼ばれている事も知っていた。
だからこそ、事件が起きてしまったのである。
「この可愛い嬢ちゃんを返してほしけりゃ、設楽輝信を殺してこい」
「毎日出入りするお前ならできるだろう? この短筒で一発、奴の脳天をぶち抜くだけでいい。簡単だろ?」
「撃つのは心臓でもいいぜ。もし失敗したら……これがど