【R18小説】『ガチムチ系年下サラリーマンと大衆食堂で働くポチャ系アラサー女子の恋ものがたり~9』
*桃乃の告白~(9)
ーーそして、わたしと視線があうと、ちょっぴり、ばつのわるそうな笑顔をうかべながら、鼻の横をかき、わたしのとなりに腰をおろすのがみえたので、わたしは、真鍋さんの、ちょっと、少年っぽいしぐさに、おもわず
(どきっ)
と、しながらも、真鍋さんのじゃまにならないよう、ソファーのひじかけのほうに、すこしカラダをずらしましたが、それでも、となりから、真鍋さんのおおきなカラダと、それにまといつくような、熱っぽく、息がくるしくなるようなみっしりとした空気がつたわってくるのをかんじていると、どきどきして、緊張してしまい、どうしたらいいのかわからなくなってしまったので、わたしは、視線をおとし、スカートのうえにおいてある、じぶんの手もとにむけましたが、わたしのひざのすぐそばに、真鍋さんの骨ばった、四角い、おおきなひざがみえたので、わたしは、おもわず、そのおおきさにおどろき、そして、あらためて、じぶんが、こんな時間に、男性と、ふたりきりで、部屋にいることをかんじて、パチパチと目のまえがはぜるように熱くなり
(どうしよう……まだ、おつきあいもしてないのに……いくらなんでも、ちょっと、大胆だったかしら……)
と、おもい、また
(もしかしたら、真鍋さんに、節操がないとおもわれてしまったかしら……)
(でも、ここで帰ったら、真鍋さんに嫌われてしまうかもしれないし……)
と、おもい、これからどうしたらいいのかと、迷いましたが、それでも、わたしは、真鍋さんにわたしが動揺していることを知られたくなかったので、スカートをなおすふりをして、真鍋さんのひざからほんのすこし、離れようとしましたが、そのとき、うしろから、真鍋さんの腕がのびてきて、わたしの肩を抱きよせたので、わたしは、そのまま、真鍋さんの腕のなかで、かたまったまま、動けなくなっていると、真鍋さんのごつごつとしたおおきな手が、わたしの手にかさなり、そして、わたしの髪をなでながら、わたしの顔をあげると、わたしをやさしくみつめながら、わたしの手のひらを、真鍋さんの頬にそっとつけたので、わたしは、その瞳にすいこまれるように、手のひらで、真鍋さんの、角ばった頬骨と、おひさまをいっぱいあびたアーモンドのような肌からつたわってくる、あたたかなぬくもりと、すこしざらざらとしたあごのラインにふれていると、真鍋さんは、片方の手で、わたしの手首をつつんだまま、ゆっくりと、わたしのほうにカラダをかたむけてきたので、わたしは、おもわず、真鍋さんの洗いざらしの髪に指をさしいれると、そのまま、くずれるように、ソファーの背もたれに身をゆだねました。
⑲そして、わたしが、背中で、ソファーの合皮が鳴る音を聞いていると、真鍋さんが、わたしの頬骨にくちびるをつけ、そのまま、なぞるように、わたしの耳元に、顔をうずめてきたので、わたしは、耳元に、真鍋さんのくぐもった熱い息がふれるのをかんじて、くすぐったくなり、ちいさく首をすくめて、なんとかのがれようとしましたが、真鍋さんが、さらに、重みをかけ、そして、あえいでいる、わたしのはんぶんひらいたくちびるに、くちびるをおしつけるとーー
〈つづく〉
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