【R18小説】『ガチムチ系年下サラリーマンと大衆食堂で働くポチャ系アラサー女子の恋ものがたり~4』



*桃乃の告白~(4)




わたしは、真鍋さんのアパートの部屋のなかにはいるのはじめてだったので、ちょっと緊張していましたが



真鍋さんのほうも、よほどわたしがたずねてきたことにおどろいたらしく



「ちらかってて、すいません」



と、あわてて部屋のなかをかたづけながら、わたしに壁ぎわのローソファに座るようにとすすめてくれたので、わたしは、連絡もせずにとつぜんおしかけてしまったことを申し訳なくおもい




(やっぱり、彼女でもないのにこんな時間におしかけて迷惑めいわくだったかな……)



と、勝手にアパートにおしかけてきてしまったことを後悔していると、おおきな背中をかがめて冷蔵庫のなかをのぞきこんでいた真鍋さんが、さらにあわてたようすで



「あの、すいません。なんか、うち、ビールとプロテインとミネラルウォーターと栄養ドリンクしかなかったみたいで。いまからひとっぱしりコンビニにいってなんか飲みモン買ってきます」



と、いまにもリビングをとびだして、外にかけだしていってしまいそうだったので


(えっ!)

「あっ、あの……」



と、わたしは、あわててひきとめると、バッグのなかに、じぶんの水筒マイボトルをもってきているからだいじょうぶだといい、なんとか彼をひきとめました。






すると、真鍋さんは


「そうですか」



といい、まるで洞窟どうくつにとじこめられてしまった巨人きょじんさんのようにおおきなカラダを所在しょざいなげにして、ちょっとこまったように、片方の手であたまのうしろをかきながら



「すいません。うちにお客さんがくるの、はじめてなもんで。こんどは、ちゃんと用意しておきます」



と、いってくれたので、わたしは、



(真鍋さんが彼女がいないっていってたのは、うそじゃなかったんだ……)



と、おもい、うれしさで胸がいっぱいになりました。





すると、真鍋さんは



「それにしても、桃乃さんがお見舞みまいにきてくれるなんて嬉しいな」


といい


「桃乃さん、夕飯は?」



と、聞いてくれたので、わたしは、お店で軽くすませてきたからだいじょうぶだといい、それよりも、よかったらキッチンを借りて、おかゆをつくりたいのだけど、と申しでると、真鍋さんは


「ほんとですか!」



と、うれしそうにいってくれると


「それじゃ、俺、そのあいだにちょっとシャワーびてきますね。めちゃめちゃ汗臭あせくさいんで」


と、いって、ものすごい勢いでリビングをでていってしまいました。




なので、わたしは、すぐちかくで真鍋さんがシャワーをびているとおもうとどきどきして、緊張してしまいましたが、それでもなんとか気をおちつかせるようじぶんにいいきかせながら、リビングにはいってすぐのところにあるキッチンを借りて、片手鍋かたてなべでお湯をかして、レトルトのおかゆをあたためていると、廊下ろうかのほうから、ばたばたと、おおきな足音とともに

(ガチャッ)

と、ドアがあく音がして


〈つづく〉








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