【R18小説】『ガチムチ系年下サラリーマンと大衆食堂で働くポチャ系アラサー女子の恋ものがたり~7』
*桃乃の告白~(7)
⑯そして、わたしはまぶたが小刻みに震えるのをかんじながら、じぶんの心臓の音を聞いていると、まとわりつくような熱い空気とともに、なにかが、そっと、わたしのくちびるにふれてきたので、わたしはじぶんのくちびるから、そのあたたかさとやわらかさがつたわってくるのをかんじていると、それが、そっと、わたしのくちびるからはなれるのをかんじ、そして、もういちど、こんどは、すこしつよくおしつけられるのをかんじました。
⑰なので、真鍋さんのくちびるで、くちびるをふさがれた、わたしは、もうなにもかんがえることができず、あたまのおくが、ただ、まっしろになり、目をとじたまま、まぶたのうらがわで、まぶたのすきまからちらちらとのぞくまぶしい蛍光灯の光をかんじながら、ただ、ひたすら
(おねがいだから、夢なら、どうか、さめないでほしい)
と、おもいながら、彼のくちびるをうけとめていましたが、しだいに息がくるしくて、たまらなくなり、おもわず
(‥‥‥ん)
と、声がでてしまったので、わたしは、真鍋さんに声を聞かれてしまったとおもうと、はずかしくてたまらなくなり、あわてて、彼のくちびるから、のがれようとしましたが、真鍋さんは、がっしりとした腕で、そんなわたしのカラダをさらにひきよせると、甘くかすれた声で
「ん……好き……桃乃さん……好き……」
と、なんども、つぶやきながら、わたしの鼻先に、その鼻筋のとおったカタチのいい鼻先をすりつけると、まるで、あわてて食べて、うっかりと指についてしまった苺のショートケーキの生クリームでもなめるみたいに、音を立てて、わたしのひたいや、めじり、そして、右の頬と、左頬にだけ、ぺこりとへこむ、えくぼの溝にキスをしてきたので、わたしは、なんとか、たおれないように、真鍋さんの腰に手をのばし、Tシャツのすそをにぎっていましたが、それでも、やはり、そのはげしさに、たえきれず、ストッキングをはいている、足がすべりーー
〈つづく〉
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