【R18小説】『ガチムチ系年下サラリーマンと大衆食堂で働くポチャ系アラサー女子の恋ものがたり~26』
*桃乃の告白~(26)
***
ーーおもわず
「……や、やだ……わたしったら……」
と、声がでてしまったので、ますますはずかしくなり、あわてて、大介さんの瞳から視線をおろしましたが、それでも、ふせたまぶたのうえに、ちらちらと、ちょっと、おもたくるしいような、熱っぽい大介さんの視線がそそがれているような、そんなきがしてーーそれだけで、もう、どきどきしてしまい
ーーまるで、じぶんが、じゅうぶんに熱した鉄板のうえにおかれたおにくになったみたいに、ジュージューと焼かれて、彼のしたで、動けず、ちぢこまっていくのをかんじながらも、そんな、彼の熱で、さらに、ぎゅっとちぢこまってしまっている
ーーまるで、火にかけられたまま忘れられてしまっている、片手鍋のなかの、ぐつぐつと必要いじょうに煮詰まってしまっている、りんごソースみたいな、いまにも焦げだしてしまいそうな、こころのなかで、わたしは
(……もう、やだ。わたしったら……ほんとに、もう、穴があったらはいりたいわ)
と、いまさらながらに、じぶんのくちからでてしまった大胆な言葉を後悔し、そして
(……ああ、もう。どうして、わたしって、いつもこうなのかしら……)
〈つづく〉
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