【R18小説】『ガチムチ系年下サラリーマンと大衆食堂で働くポチャ系アラサー女子の恋ものがたり~25』
*桃乃の告白~(25)
***
(……だめ……そんなの、いや。……わたし、もう、大介さんと、はなれたくない……)
と、おもい、とっさに、あいているほうの手で、大介さんのウエストにふれると、指をまげ、汗ばんでいるTシャツの生地をぎゅっとにぎりながら、あわてて、視線をあげると
「……えっ……あ、あの……ち、ちがうの。あの、だめだなんて、そんなーー」
と、ただ、ひたすら、彼をうしないたくないというおもいだけで、あたまのなかがいっぱいになり、もう、ほかになにもかんがえられなくなってしまっていたので、きがついたときには、もう、おもわず、あふれだしてきた言葉を、つい、そのまま、くちにしていましたが、そのとき、ふ、と、視線をかんじてーー大介さんが、おどろいたように、目をまるくして、なにかめずらしいものでもみるみたいに、じっと、わたしをみおろしていることにきがついたのでーーこのときになってようやく、じぶんが、とてもはずかしいことをいってしまっていることにきがついたわたしは、いっしゅんで、ショートしたみたいに、パチパチと耳の先まで熱くなりーー
〈つづく〉
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