【R18小説】『ガチムチ系年下サラリーマンと大衆食堂で働くポチャ系アラサー女子の恋ものがたり~22』
*桃乃の告白~(22)
***
ーーわたしは、ブラジャーのなかにおしこめてある、じぶんの、やわらかな胸が、彼の、ぶあつい手のひらの重みで、はずみ、そして、円をえがくように、ゆっくりと、おしつぶされていくのをかんじたので、息をすることができず、くるしくなり、おもわず
(……ん)
と、ちいさく息をもらし、彼のしたで、身をよじりましたが、すると、わたしの頬骨におしつけられている、真鍋さんのやわらかなくちびるが、そっと、わたしの頬骨からはなれてゆくのをかんじ、そして、そのくちびるが、熱い息づかいとともに、そっと、なでるように、わたしの前髪をゆらして、ひたいにふれるのをかんじたので、わたしは、うごくこともできず、ただ、まぶたをとじて、のぼせたように、どきどきとしながら、彼のくちびるからつたわってくる、わたしの体温よりも、ずっと熱くなってしまっている、彼の体温をかんじていましたが、するとーーちょっぴり、せつなくなるような、甘く、かすれた、くぐもった声が、あたまのうえからおりてきて
「……駄目?」
と、つぶやくようにいいながら、わたしの手のひらをおおうようにつつみこんでいる、その長い指先を、わたしの指先に、やさしく、からませてきたのでーー
《つづく》
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