
【読書】ヴィランティ牧野祝子『国際エグゼクティブコーチが教える人、組織が劇的に変わる ポジティブフィードバック』
塾の仕事に活かすために以下の本を読みました。
リーダーが部下に伝えるべきことは何か。
評価、注意、できていない(ネガティブな)ことの指摘と答えるリーダーは少なくない。
しかし、時代が変わり、部下が求めるもの、成長に必要なことが変わってきた。
部下は、自分が「貢献できている」「成長している」と感じたときに、仕事へのモチベーションが最も高まる。
「年1度の上司から部下への評価」から「週5分、部下のやる気を引き出す伝え方」へ
シフトすることで、個人とチームの効率&生産性を最大化させることができる。
本書では、世界10カ国でキャリアを積んだリーダーが、部下一人ひとりの強みを引き出し、
成長させるポジティブフィードバック( FB )を使用した伝達法を指南する。
世界のエリートが実践する“やる気を爆増させる FBの ノウハウ"の紹介から、
シーンごとにどんなFBをすればよいか、言葉の選び方、タイミングなど実践の仕方まで、
これまでなかった、ポジティブフィードバックの本。
テストの点数を気にしている生徒に勉強を教える仕事をしている以上、彼らへのフィードバックは欠かせません。
教室長は生徒との面談を通じてフィードバックをしていますが、講師として日々の授業で生徒と関わりをもっている自分自身のフィードバック力を高めようと思い、この本を手に取りました。
フィードバックの前提の関係づくり
ポジティブフィードバックを行うには、まず、受け取る側の状況を整理し、素直に受け止められる環境、ルールづくりが必要です。 なかでも、部下が素直に、ポジティブに、あなたの言葉を受け取れるような人間関係を構築しておくことが、ポジティブフィードバックの組織での定着へと繋がります。
ポジティブフィードバックをしたとしても、それをお世辞や上辺だけの言葉だと受け取られては効果がありません。
人間関係を築くことがポジティブフィードバックの効果を高め、またポジティブフィードバックによって信頼関係が構築されていくという相互関係があるのではないかと考えました。
ポジティブフィードバックの4基軸
ポジティブフィードバックの土台にあるのは、「承認」です。 特に、以下の4つの「承認」が基軸となります。
1 成果・結果に対して、承認する【結果承認】
2 相手が行った行為(まだ結果が出ていないものも含む)に対しての承認【行為承認】
3 相手の存在を承認し、大切に扱う【存在承認】
4 将来(未来)の可能性について信じ、期待し、それを肯定的に応援する【可能性承認】
塾のどんな場面でフィードバックは与えられる?
それぞれの「承認」について、どのような場面で自分が生徒にポジティブフィードバックを与えられるか考えました。
1【結果承認】
テストの点数が良かったとき。
2【行為承認】
生徒が集中して課題に取り組んでいるとき。
宿題を忘れずにやってきたとき。
疑問点をそのままにせず、質問をしてくれたとき。
振り返りを丁寧にしていたとき。
休まずに塾に来たとき。
3【存在承認】
生徒の入室退室のときの挨拶。
雑談をしているとき。
4【可能性承認】
テストの点数が目標に届かなかったとき。
※生徒の日頃の取り組みが良い場合。
気づいたこと
「存在承認」は挨拶を通じて、塾への毎回の来室・退室時に行うことができる。日頃の積み重ねが大事。前述したポジティブフィードバックを働かせる前提となる人間関係を構築するのにつながっていると思われる。
「行為承認」は塾での生徒の日常的な頑張りについて与えることができる。
生徒の日常の頑張りに「行為承認」を与えなかった場合、生徒にフィードバックを与える機会は「存在承認」を除けば、テストの点数が出たときの「結果承認」か「可能性承認」だけになってしまう。機会としては年に数回のみ。
テストの点数が目標点数に届けば「結果承認」、結果が振るわなければ「可能性承認」を与えるという分岐になる。
フィードバックの頻度は細かく沢山が大事だとされています。
そう考えると、生徒の日常的な頑張りに気づき、取り上げて、「行為承認」をするのが良いでしょう。
リストアップした以外の部分でも、自分が気づけていない「行為承認」を与えられる場面があるかもしれません。
もしもお気づきがあれば、コメントで教えていただけると幸いです。
「結果承認」は大きなフィードバックの機会ですが、一方でテストの点数が目標点数に届いたときに限って与えられるという条件付きの承認になります。これは気をつけるところです。
最近の出来事
最近の出来事で思い出すことがあります。
先日、テストの結果が返された男子生徒がいました。結果は今までのテスト点数(塾に通う前)に比べるとなかなかいいほうです。そこでの会話です。 自分「テストの点数が今までよりよかったね。勉強頑張ったの?」
男子生徒「いや、そんなに。」
自分「そうなんだ。頑張らずとも結果が出るということはあるし、塾に通っている分の勉強の成果が出たのかもしれないねー。じゃあ、今日やる内容は……」
この場面での自分は成績が良かったことに対して、塾での頑張りは除いて、さらっと流しています。
なぜなら、本人曰く、頑張ったわけではないと答えているから。
流したのはそれはそれで良かったと思っています。頑張ってもいないのに結果を褒められてもさほど嬉しくはないからです。(今、思えば「塾で頑張っているよね!」と塾での取り組みを褒めるのが良かったかもしれません(行為承認)これは事実だから。)
「頑張った。そして成果が出た」というときに「結果承認」を与えるのが効果的なのではないでしょうか。
「可能性承認」についても注意が必要です。
点数が振るわなかった場合、今回は結果につながらなかったことは認めつつ、日頃からの生徒の頑張りについてフィードバック(行為承認)を改めて伝え、それを続けていけば実を結ぶこと(結果につながること)を「可能性承認」しないと効果は薄いと思います。
続けていけば、きっと良くなるという可能性は伝えないといけないでしょう。
一方で、塾の課題に取り組まないなど、取り組みに課題がある場合は今のままではよくないということをフィードバックすることも大事だと思いました。
日常的な「存在承認」「行為承認」のフィードバックを大事にしたいです。
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