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社長の右腕を目指す人が成長するための考え方とは

「社長の右腕として活躍したい」—そんな志を持つ人にとって、最も重要なのはスキルだけでなく、日々の姿勢や考え方です。右腕、ナンバー2を目指す人が成長するためには、業務を超えた自己成長を意識し、信頼を築くための考え方を身につけることが必要です。今回は、社長の右腕を目指す人が成長するための考え方や心構えについて解説します。

1. 「成長は日々の積み重ねである」と意識する

まず大切なのは、右腕としての成長は一朝一夕で得られるものではない、という認識です。成果を出し続ける右腕の多くは、日々の小さな学びや気づきを重ね、改善を繰り返すものです。例えば、毎日新しい視点で仕事を見つめ直すことや、自分の行動を振り返ることも立派な成長です。

コンスタントに仕事で成果を出すためには、もちろんスキルは大切です。マーケティングや商品企画であったり、リーダーシップを発揮するなど必要なスキルは多岐に渡ります。

ただ、ネットや本で見かけたハウツーをそのまま実践してみても、現実にはうまくいかないことの連続だと思いますし、もっと本質的な部分である対人関係能力や他人から信頼される自身の人間性について深く考えさせられることになるはずです。

右腕を目指すうえでは、すぐに結果を求めすぎず、日々の努力が大きな成長につながると信じて行動することが大切です。目の前の課題に対して一つひとつ丁寧に取り組み、少しずつ自分のスキルと視野を広げていくことが確実に成長の階段を上っていくために必要です。そして、スキルを磨く以上に人間力を高める努力を怠ってはならないと心得ておきましょう。

2. 自分の「存在意義」を意識する

右腕の役割は、単に社長の指示を実行するだけでなく、組織の中でどのように貢献するかを意識することです。「なぜ自分がここにいるのか」「どのように組織に価値をもたらすか」を日々考えてみましょう。これを意識すると、行動の軸が定まり、自分の立場や役割の重みを理解できるようになります。

例えば、あるプロジェクトで自分が果たすべき役割が何か、どうすればチーム全体が成果を出せるかを考える習慣をつけることが重要です。右腕として、社長が見えないところでのサポートを担うことも必要な役割であり、自分が「陰で支える役割を持っている」と意識することで、自信と覚悟が育まれていきます。

存在意義というと大げさに聞こえるかもしれませんが、自分の軸を構成するうえで最も大事な部分です。自分がしたいことではなく、自分に求められていることは何かを自覚することは右腕という存在になるうえで極めて重要な考え方です。

3. 「謙虚さと学び」の姿勢を持ち続ける

右腕に求められるのは、無理に威厳を保つための上から目線の態度ではなく、謙虚に学ぶ姿勢です。特にリーダーのポジションにある場合、周囲からの信頼が重要です。信頼は、傲慢な態度よりも謙虚さと学びの姿勢から生まれます。年齢や経験にかかわらず、他人の意見に耳を傾け、常に学び続ける姿勢が右腕には欠かせません。

謙虚さは新しいアイデアや意見、改善点を受け入れる力にもつながります。逆に、自分が常に正しいと思っている人には確かな情報が集まらず、現実に向き合うことができないため、誤った判断をしてしまう可能性が高まります。そのため成果を出すことができず、うまくいかない原因を部下や環境などに求める他責で考えるようになり、悪循環に陥ってしまいます。

4. 「一歩先を読む力」を養う

右腕を目指す人には、「一歩先を読む力」が求められます。社長やリーダーは、多くの業務を抱えていたり、部下と適切にコミュニケーションが取れていない場合には正確な情報が入ってこないため、常に全体の状況を把握することは難しいものです。そこで、自分から先を読んで行動することで、社長にとって頼りになる存在となります。

具体的には、日頃から社長が次にどのような判断をする可能性があるかを予測し、先回りして準備を進めることです。例えば、次の会議で出るであろう質問や課題を予測し、あらかじめ対応案を考えておくと社長が安心して意思決定できるでしょう。そうした先を読む行動が重なることで、「彼に任せていれば安心だ」と信頼を得ることができます。

社長から指示されて動くようでは、常に後手に回り、正直頼りなく思われますし、期限内に質の高い成果物を出せないようだと社長からの信頼を得ることは難しいです。

5. 「社長の視点」で物事を考える

右腕を目指す人にとって、社長の視点で物事を見ることは重要です。右腕の役割は、社長の補佐であると同時に、共に組織のビジョンを実現するパートナーという位置づけでもあります。社長の視点に立って物事を考えられるかどうかが、右腕としての成長に大きく影響します。

社長の視点で考えるためには、社長の性格や思考パターン、会社の目標や方針を深く理解することが不可欠です。そのうえで、自身が個々の業務に取り組む際に「この行動が会社全体にとってどのような意味を持つか」を常に意識します。社長が持つ視点を共有できる右腕は、信頼され、重要な役割を任される存在となるはずです。

ただ、社長の視点を身につけるのは簡単なことではないでしょう。社長というのは常に同じように判断するものではありませんし、社長には個性があります。リスクを取っても前進することを好むのか、安全策を優先するのかといった違いもありますし、時と場合、感情によっても判断が異なる場合もあります。

ですので、できる限り社長と会話する時間は意識的に増やす努力をしなければ社長の視点に近づくことはできませんから、社長とのコミュニケーションは非常に重要な時間です。

6. 「自分だけで完結させない」勇気を持つ

右腕を目指す人にとって、頼るべき時には他人を頼ることも大切です。すべてを自分一人で抱え込まず、必要な時には他のメンバーや外部の専門家の助けを借りる勇気を持つことが重要です。特に大きなプロジェクトや不慣れな分野では、他人からの助言やサポートが重要です。

右腕はゼネラリストの要素も多分に求められます。とはいえ、全てに精通することも困難であるのも事実です。自分だけで完結させようとすると、無理が生じて質が低下したり、期限が守れなかったりすることもあります。

組織にとってベストな成果を出すことが目的であるため、自分だけの力にこだわらず、適切なリソースを活用することを意識しなければなりません。これは、組織のために最善を尽くす右腕の姿勢であり、成長にもつながります。

まとめ

右腕を目指す人が成長するための考え方は、表面的なスキルだけでなく、内面の姿勢や行動に深く関わっています。日々の積み重ねを大切にし、自分の存在意義を考え、謙虚に学び続けること。そして、先を読み、社長の視点を理解し、他人を頼ることも必要です。これらの考え方を実践しながら、少しずつ成長を重ねることで、右腕として確固たる信頼を得られる人材へと変わっていくことでしょう。

これらは全て私自身が3社にわたり、社長の右腕として実践してきたことばかりです。身近にロールモデルもなく、メンターもおらず、手探りで見つけてきた真理ともいえる矜持だと思っています。

新しいことに取組めば、慣れ親しんだ環境を維持したい抵抗勢力に足を引っ張られることもありますし、出る杭を打とうとする人もいます。正しいと思われることをやり抜こうとしても社長自身に疎まれることもあります。

右腕というポジションは泥臭く、日の当たらない、当たってもいけない難しいポジションで、自己の利益を最優先したり、承認欲求が高すぎるような人には不向きな役割です。

けれども、課題が山積みなのに誰もやりたがらない困難の時や会社の成長が停滞している時にこそ必要とされるやりがいのあるポジションでもあります。

そんな役割を担うためには、日々の行動と心構えを積み重ねていれば、いつしか自分が「いなくてはならない」存在として、社長や周囲から信頼される右腕となれるはずです。

最後までお読みいただきありがとうございます。