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「玉川奈々福 喬太郎アニさんを唸らせたい」・・・実力派二人のジョイント。


「喬太郎アニさんを唸らせたい」と題したコラボ企画?ジョイント演芸の七回目。紀尾井ホール。

今回がラストだと言う。初めて見たのだが、もっと早くから見に来ていればよかった、と思った。

パンフレットによると、女浪曲師の玉川奈々福さんが、落語家の柳家喬太郎兄さんに浪曲を唸って欲しくて誘ったという会である。

ところが、これまでの6回で、ついに喬太郎さんは唸ることなく、
今回の7回目はスペシャルになった。

まず、奈々福さんは、相変わらずの美声だ。
会場の隅々までその美しい声、のびやかな声が届く。

前半は定番の浪曲。「浪曲百人一首」
藤原義孝の歌、「君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな」を元にした浪曲。

五七調の心地よさとともに、面白くしてやる! という奈々福さんの気持ちが伝わってくる。

後半は、喬太郎師の創作落語「カマ手本忠臣蔵」を浪曲に置き換え、
新たなアレンジを加えた作品。

驚くべき忠臣蔵の「真相」について語られる。
この作品、インパクトが強すぎて、前半の内容を忘れるほどであった。

そして奈々福さんの二本の間に前半のトリとして登壇した
柳家喬太郎さんは浪曲に因んだ新作落語を演じた。

本当かウソか分からないが、三日前にメールで確認メールが来て、創作落語を一席やる事を思い出したという。

その振りが信ぴょう性を増すマクラの長さである。
大好きなウルトラネタから藤子不二雄ネタまで飛び出し、ヒートテックのパッチまで見せてまで笑いを取っているので、もしかしたらこのまま奈々福さんのリクエストから逃げてしまうのではないかと思わせたところで、最後にしっかり、浪曲を獲り込んだ創作落語「銭湯の節」を聞かせてくれた。
くすぐりもたくさん入って、爆笑の内に終えた。

まさに、名人芸が「たっぷり」だった。

最後はお二人が並んで三本締め。「世界平和」を祈って、と喬太郎さんが
大真面目に切り出すところが、今のご時世だが素直に共感した。
演芸で笑っていられる世の中がいつまでも続きますように。

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