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「A+Bi で見る詩と数学」・・・相容れないもの同士の意外なる接点。


ちょっと今回は面倒な受講録。小難しい数学が苦手な方は飛ばしてください。


『A+Bi で見る詩と数学』


詩や俳句などが好きだ。

余計な装飾が少なく、主張がはっきりしている。

中には装飾が少ないゆえに難解と言われる作品もあるが、
そういった作品でも「難解にしよう」とか
「結論や作者の意図を分かりにくくして考えさせよう」
という作者の「意図」がはっきり伝わると、色々な意味で面白く感じる。


先日、詩を数学的に考察するというセミナーイベントがあった。
「詩と数学の接続」と銘打たれたそれは、
詩人の平出隆さんの講義と映像で構成されていた。


このイベントに興味を持ったのは
詩という極めて観念的な物を、文字数や改行、句読点の位置の法則などで
数学的に解説されるものだと思い受講してみた。
だが、実際は少し違っていた。

講師はまず、「表現するもの」と「表現されるもの」を
「A+Bi」という公式を用いて解説されていた。

「A」は、「実際の経験」。
「B」は係数で「i」にかかる。
「i」は虚数で、「Bi」とはすなわち「共同の記憶。
(表現される物・内包したもの・ある意味でテーマということか)」

という事を解説されていた・・・と思う。
拙い説明だが内容を紹介すると、

詩の世界における表現とは「A+Bi」つまり「経験」と「共同の記憶」の
相互作用によって、人々の心に影響を与えるものということらしい。

この数式が単純に「実際の経験と共同の記憶を持たない者には感動は生まれない」
と言っているのではないことは分かった。

それは係数「B」である。
「A+i」(体験と記憶)ではなく、
「A+Bi」なので、記憶の中には無限の係数が付く、
つまり「体験と、記憶(但し、体験していない記憶まで入る)」ということである。

必ずしも経験していることだけで、表現が生まれるのではないということだ。経験だけでも経験が全くなしでも「詩」は生まれない。(と勝手に解釈して納得して悦に入った。
だが講師の方の言いたいことがどうかは、いまいち自信がない。ハハハ)


講演後、質疑応答が行われたが、様々な捉え方ができる公式のため、
観客の中にも混乱している者が一定数いたのだろうか、
質問よりも感想が多かったことが印象に残った。


脳みその理系の部分を酷使すると、不作為の芸術が恋しくなる。
セミナーを受けながら、
絵の具を自由にキャンバスに投げつけるようにして
制作する「アクションペインティング」の事が頭にずっと浮かんでいた。


もっと理解したいという気持ちがあるので、もう少し努力したい。
うまく説明できる方がいらっしゃったら、お願いしたい。

この公演は、9月6日と来年1月17日にも続きが行われる。
東京両国・シアターXにて。

                          おわり

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夢乃玉堂
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