『集中力がすべてを解決する 精神科医が教える「ゾーン」に入る方法』樺沢紫苑(著)を読んで、改めて脳の仕組みを知ることの大事さを知った
こんにちは。Guroppaです。
今回は樺沢紫苑さんの『集中力がすべてを解決する 精神科医が教える「ゾーン」に入る方法』を読んだ感想を書きます。
樺沢紫苑さんの本はこれで6冊目。もうすっかりファンです。
6冊も読むと、テーマはそれぞれ違う本だったとしても、樺沢紫苑さん根底にある「心理学や脳科学を広めることで、うつ病などの精神疾患や、自殺者数を減らしたい」っていう思いが伝わってきます。
この本も、集中力というテーマではあるものの、
集中力を高めるためには心も体も健康でなければならない
集中力が低い状態というのは脳疲労の状態で、それがひどくなると精神疾患になる
という観点があります。
集中力を高めるための行動をすることで、この本を読んだ人が健康になって、仕事でも高いパフォーマンスを出せるようになる。そして、その更に上の「ゾーン」に入るためにはどうしたらいいのかという話が書かれています。
本書はイントロで「ゾーン」についての解説があり、その後Part1~4に分かれています。内容が濃いので、自分の気になったトピックを、「ゾーンについて」と「Part1 入力」から、自分の感想とともに少しだけ取り上げたいと思います。
「ゾーン」の入り方
そもそも「ゾーン」とは、心理学では「フロー」とも呼ばれる状態のことで、本書では以下のように書かれています。
自分も昔は「ゾーン」に入ったことがよくありました。(その時健康だったかはさておき)
仕事中にプログラミングをしている時、猛烈な勢いでタイピングしながら、(しかも洋楽を聞きつつそれを口ずさみながら)数時間があっという間に過ぎ去りました。
プログラミングというと難しそうに聞こえますが、その時の自分の担当のHTML、CSS、Javascriptはある程度作るものが決まってるなら、決まり切ったことを書く「作業」に近いので、「思考」をしなくてよかったのでゾーンに入れたんだと思います。
本書におけるゾーンに入るための条件は、気力、体力ともに絶好調の状態で、さらにその上のコンディションであれば「夢中」「熱中」を超えた「没入」の状態になり、それがゾーンであるとされています。
そして本書ではゾーンにはいる9つの方法が書かれています。自分には「方法」というよりも「条件」と言ったほうがしっくりきました。(詳細は本書をお読みください。)
デュアルタスクで脳の生産性を鍛える
何かをする時、「シングルタスク」や「マルチタスク」という言葉がありますが、本書では「デュアルタスク」について紹介されていました。
シングルタスクはその名の通り、一つのことに集中して作業すること。マルチタスクはそれに対して、複数のことを同時並行で作業を進めること。
マルチタスクは同時並行しているように見えて、シングルタスクを高速に切り替えているだけなので、本質的にはパフォーマンスが落ち、しかも脳内にストレスホルモンが分泌され、それは脳の「海馬」という記憶を司る部分の萎縮にもつながるそうです。かなりマイナス面が多いですね。
それに対してこの「デュアルタスク」は、「脳トレ+有酸素運動」のことを指します。これだけ聞くと仕事できないじゃん?と思ってしまいますが、確かに実際の業務に直結はしませんが、このデュアルタスクの効果は、かなり脳の生産性が上がる鍛錬になるというところです。
脳トレは単純な足し算でもいいですし、英単語の暗記などでもいいそうです。また有酸素運動もややきついぐらいの中強度が適切とのことです。
このデュアルタスクを行うと、前頭葉に血流が増え、結果として集中力、注意力、ワーキングメモリ(情報を一時的に保持し、操作する脳のシステム)の機能が上がり、結果として普段のタスクのパフォーマンスがアップするというわけです。
なので散歩やジムでの有酸素運動をしている人は、音楽ではなく、オーディオブックや英会話の音声を聞くなど、頭の使うことをやると良いそうです。脳が鍛えられ、きっと徐々に仕事の生産性も上がるはずです。
スマホ認知症
近年「スマホ認知症」というものが30代〜50代の間で激増しているそうです。これはスマホの使いすぎにより過剰に情報を摂取し、脳内が情報のごみ屋敷状態になり、必要な情報までうまく引き出せない状態になっているようなものだそうです。
ChatGPTによると以下のような回答が得られました。
いやー怖いですね。集中力にとっては大敵です。
自分は教養系のYouTubeチャンネルを数多く登録していて、毎日結構な数の動画がYouTubeにアップされます。その中から気になるものを2倍速で見るんですが、言われてみればたくさんの動画を見すぎて、昨日何をみたのか、どんな知識を得たのかを思い出せません。完全に時間の無駄ですね。
だったら読書をして、こうしてアウトプットして、さらにアクティブリコールすることで記憶に定着させるほうが、時間の使い方としてはかなり有効だと思いました。
SNSも必要最低限だけにしないと、エンドレスになるので気をつけたいです。
ワーキングメモリは鍛えられる
ワーキングメモリは本書では度々でてくるキーワードですが、パソコンで例えると、長期記憶がハードディスクやSSDで、ワーキングメモリがRAMみたいなものです。つまり情報を一時的に保持しておく場所です。
このワーキングメモリはだいたい3つだとされているそうです。雑に例えると、3つ覚えている状態で4つ目の情報が来ると、先に覚えていたどれかを忘れて3つまでしか覚えられないようなものです。
そしてこのワーキングメモリは、脳の健康状態にも左右されます。絶好調なら4,健康なら3、脳疲労状態なら2、うつ状態なら1と、一度に処理できることがどんどん減っていきます。
だからそういう意味でも、精神面が健康であることが集中力や生産性をあげるためには大事なんですね。
そしてこのワーキングメモリを鍛えることができるのが「暗記」です。英単語や〇〇検定のような資格を取るための暗記は、ワーキングメモリの強化にうってつけの脳トレになるそうです。
自分も最近英単語を覚えたいなと思い、単語帳とアプリを使ってやってみたのですが、40代なかばにもなると「ああ、脳に負荷がかかってるな」というのが分かるぐらい覚えるのが大変です。
「あー、あれなんだっけ?なんだっけ?あれだよあれ!」って必死に思い出そうとして、思い出せた時の快感と、思い出せなかったときの悔しさ。ちょっと楽しいですw
また、こうして脳を鍛えておくと「認知的予備脳力」という脳力も上がるそうです。認知症的な細胞の変化が起きた場合でも、認知的予備能力が高いと、脳がニューロン間の代替経路を使用することができるそう。実際に100歳を超えた修道女の方の脳を病理的に調べた結果、アルツハイマー病であるという病理所見があったにも関わらず、生前は認知症の症状が全く出なかったそうです。この方は生前とても知的能力が高かったそうです。
ちょっと難しい言葉が続きましたが、要は脳を鍛えておくと、脳の一部が機能しなくなっても、他の部分が頑張って補ってくれるよということです。認知症は個人的にめちゃくちゃ怖い病気なので、今からしっかり予防しておきたいと思いました。
脳トレとしての暗記は、趣味と絡めるのも良いそうです。著者の樺沢紫苑さんはウイスキー検定を取得されていて、しかも一番難しいレベルの検定まで合格しているそうです。脳を鍛えまくりですね。
おわりに
樺沢紫苑さんの本はピックアップしたい内容が多すぎて、なかなかこの本の良さを伝えるのが難しいなと思うんですが、集中力を上げたい人、精神疾患で集中力が下がって悩んでる人(過去の自分もそうでした)、認知症にならないために脳の仕組みを知りたい人にはおすすめの一冊です。
ぜひ読んでみてください。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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