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下校途中に変質者にパンツの中を見られた話

小学五年生の時だったと思う。
私は希望者が入って活動している、小学校の合唱団に入っていて、週に2回、放課後残って音楽室で練習をしていた。

その日も、合唱団の練習がある日で、他の子達より遅い、17時近くに、同じく合唱団に入っている同じクラスの女の子と一緒に下校をしていた。

以前の記事でも書いたけれど、私は子供の頃、男の子の服を着ていることが多かった。

そしてその日、私は、ザ・男の子!!みたいな格好をしていた。
黒のショートパンツ、、と言っても今の子供達が履いている膝上のかっこいいショートパンツではなく、ホットパンツに近いような男物の超短パンに、かっこいい紋章のような柄が描かれた白と黒の縞々のTシャツ、それに赤いランドセルを背負っていた。


ちょっと可愛くなってしまったけれどこんな感じ

うちは小学校から歩いて20分くらい、一緒に帰った友達はちょうど真ん中くらいに住んでいて、そこで別れて後は一人で歩いて帰った。
ちなみに、その女の子の友達はクラスでも3本の指に入るくらい可愛い子だった。

彼女と別れてもうすぐで家に着くというところで、背後から原付に乗った知らないおじさんに声をかけられた。
「〇〇小学校のPTAのものなんだけど、君こんな遅くまで学校で何してたの?」
私はその誰だか知らないおじさんに、今日は合唱団の練習の日で放課後残って音楽室で練習をしていたと話をした。
ところが、そのおじさんは
「そんなの嘘でしょ。最近、放課後に男の子と女の子が学校に残って、いかがわしいことしてるって問題になってるんだけど、君、さっき一緒に帰って来てた子と何かいけないことしていたんでしょ」みたいなことを言われた。

正直この話を聞いた時、何をしていたと思われていたのか私はよくわかっていなかった。私は当時、TVも見れず、漫画も読めず、児童文学しか読めないような環境下にいたので、いかがわしいことなど、知識的に皆無だった。

何か(卑猥なことではない)悪戯をしていたと言いがかりをつけられたと思ったし、赤いランドセルを背負っているのに、男の子と思われたことに、ちょっと腹を立てていた。(ちなみに私が小学校に通っていた当時は、ランドセルの色は男の子は黒、女の子は赤がほとんどでそれ以外の色はかなり珍しいという時代だった)

なので、「私は女の子なんですけど、赤いランドセル背負ってるじゃないですか」みたいなことをそのおじさんにいった。
すると、「君は男の子の格好をしているし、男の子だって赤いランドセルを背負っているかもしれないじゃないか」みたいなことを言われた。
そんなことがある訳がないと訴えても、そのおじさんは全く嫌疑をはらしてくれない。帰らせてくれない。

すると、「じゃあ女の子であることを証明するために、股を触らせてよ」と言ってきた。訳がわからなかったが、解放して欲しかったし、それで嫌疑がはれるならやむを得ないという判断を私はしてしまった。もちろん、当時の私はその行為がどういう意味のある行為なのかわかっていない。
男は私の股を手で触ると「やっぱり手で触っただけじゃわからないなぁ、パンツの中見せてよ」と言ってきた。そんな訳あるかと思ったが、見せて解放してくれるなら解放して欲しかったため、パンツの中を見せた。パンツの中を見ると、「あ、本当に女の子だね」と言って男は去っていった。

そこで冷静になった私は、自分がなにか大きな選択ミスをしたということに気がついた。
と言っても、逃げればよかったとか、そう言った別の考えが湧いたのではなく、ただ、漠然を「私は何か間違った気がする」という感覚にとらわれたのだ。そして「そのことが母親にばれたら、絶対にめちゃくちゃ怒られる」と思った。そして、この出来事は絶対に誰にも話さないと心の中で決意をし、母親を含めどの大人にもこの出来事のことは話さなかった。
怒られると思ったのだ。

そして、この事件以来、私はこの時に来ていた服を決して2度と着なくなった。というか見るのも嫌になる程嫌いになった。また、あまりにも男の子っぽすぎる服も嫌いになった。そう言った服が気持ち悪いと思うようになった。

振り返ってじゃあ別の選択肢を選べたかという話

あのクソおやじは、学校から下校している私と友人をずっとつけてきていて、人目のあまりない道に来た時点で声をかけてきた訳だが、当時の自分がじゃあ何か別の方法で、逃げたり、かわしたりできたかというと、それは難しかったのではないかなと思う。

私は親という大人が絶対者で絶対服従の環境下で育っていたので、大人に疑いをかけて、自分の身を守るという発想はどう転がしても出てこなかったと思う。大人に刃向かってもいいという許可は当時全く降りていなかった。
あと、エロに関する知識がなかったため、何を言われているのか、何をされているのか、よくわかってなかった。(というか、エロゲーじゃないんだから、当時の小学5年が学校でそんな卑猥なことをしてる訳がない、問題になるなんてあるかボケ)
学校で変質者が出たから気をつけてくださいと言われることはあったが、だいたいコート着た露出狂のおじさんである。こんな事例は聞いたことがなかったし、児童文学しか知らない私には、そういう発想に飛ぶイメージ力はなかった。
私は、このことがあったので、小学生にも、大人に嫌だという力を持って欲しいと思っているし、ドラマとかちゃんと見せた方がいいと思っている。

この事件は、大人になるまで誰にも言ったことがなかった。20代も後半になってから、他の猥褻事件とともに、母親に話をした。

でも、いまだに、こうして記事として投稿するとなると、「なんで逃げなかったの」「なんで見せちゃったのバカじゃん」みたいなことを思われるのではないかという、恐怖心が湧く。
おそらくこれは、その当時にバレたら母に怒られると思った恐怖感と同じようなものなのだと思う。
判断をミスったという感覚があり、それにより、バカにされるのでは、罵倒されるのではという恐怖心があるのだ。

まぁ、恐怖心があるからこそ、私は記事として書いてアップするのだけれども。(行動すると薄まるから)
私は後悔しているのだと思う。しょうがなかったということを一番受け入れられないのは私自身なのだ。

この事件もいまだに思い出すと気持ちが悪いと思う。
記事を書いて投稿することでこの感覚が少しでも薄まればいいなと思う。


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