解散MATと幼児が大人になって体感したこと (帰ってきたウルトラマン)
幼少期に再放送をよく観た特撮に帰ってきたウルトラマンがあります。
ウルトラシリーズとしては少し前に記事にしたウルトラセブンの次に当たるウルトラマンであり、視聴世代によっては会ったことも無いのに「帰ってきた」と言われて困惑するウルトラマンです。
初代やセブンと並んで多くの根強いファンがいる事は広く知られた話ですね。
ウルトラセブンのウルトラ警備隊と同じく、帰ってきたウルトラマンではMATという防衛組織が宇宙からの侵略に日々対抗しています。
ただこのMATという組織、子供ながらに不思議に思ったことがあるのですよ・・・
それは何だというと作戦が失敗したり怪獣を倒す見込みが薄い場合に偉い人が乗り込んできて「MATは解散だ!」と喚くのです。
この辺りは幼少期の記憶がベースなのとここ数年改めて全話視聴したわけでも無いので思い込みがあるのかも知れませんが、いくつかのエピソードで強く印象に残っています。
物語的には解散を迫られつつも自分達の存在意義と市民を守るMATメンバー達の奮闘ぶりが見どころとなります。
その勇姿を応援しながらも幼児の思考の隅では「この緊急時に怪獣退治の専門家のMATを解散させたら誰がその後を引き継ぐのだろう・・・」との疑問が燻っていました。
幸いMATは数々の困難を土俵際いっぱいで毎度乗り越え解散の危機を放映中は乗り切っています。
そんな幼児も大人になって社会の荒波に揉まれることに。そして元幼児が防衛隊職員ではありませんがエンジニアとして社会の歯車になっている時にフィクションを大量に混ぜ込みますがある事件が起こりました。
「そんなことではチームは解散だ!」
偉い人の発言。とある開発部署は追い込まれていました。無理な納期にトラブルの山。我々チームへの信頼はボロボロです。
とはいえ元を辿れば上の采配がおかしいツケをどうにか支えてきた結果とも言えます。
「次の納期には間に合わせてみせます!」
開発リーダーがこれ以上舐められてたまるかと上からの喧嘩を買います。
そう・・・チームの進退をかけたデスマーチの渦中に私はいたのです。
そんなやり取りの最中、寝不足でぼんやりとした意識の中で私の脳裏に響く声があります。
「この作戦が失敗したらMATは解散だ!」
あぁ・・・まんま同じ状況じゃないか(゚д゚)
答が出なかったあの問題。それを乗り越えてみせろとばかりに目の前に困難が立ち塞がります。
上にはいろいろ思惑がありました。
自分に都合良く動かせない言うことを聞かないチームに負い目を作りたい。
何人かの首をすげ替えたい。
責任転嫁先とその駄目押しの結果を得たい。
何も考えていない。
様々な負の推測が成り立ちます。
負の連鎖のきっかけを作っているのは社会を回す良い歳をした大人達なんですよ。でも見えてる世界はよちよち歩きの幼児と同じ足元だけで次の一歩を踏み出せば後はどうでも良いと考えている。
別に私のいたチームの主張が100%正しいとは言いませんが社会の為、それを支える自分達の矜持の為の行動と偉い人達の思惑は大きく道を違えている様子でした。
チームの進退を左右するのは社内政治や個人の思惑・・・言うてちっぽけな話です。
今振り返ってみると当時はかなりブラック企業案件な働き方をしていましたが・・・解散危機に度々巻き込まれた新マンこと郷秀樹もやはり地球の労働環境の荒波に飲まれていたんだなぁと当時はぼんやりとした頭の中でそんな事を考えたものです。
事が済んでからならともかく、今まさに力を合わせて問題に取り組まないと大きな損害が発生する段階で場をかき回しに来る人達。
緊急時だから全てを水に流せと迄は言いませんが、大人達の不可解な行動に頭を悩ませていた幼児もMAT隊員というよりは参謀のおじさん達の年齢に近づいてきたここ数年。未だに現場の背中を撃つあの思考が理解できずにいます・・・これっておいらの精神が子供のまま成長してないってことなのかな?(;´Д`) チガウト オモイタイ
帰ってきたウルトラマンの旅立ちに救いがあるのは現場事故で緊急入院や過労死寸前で帰った前任者達とは違って出向先的には飛んだ行方不明扱いでも僅かながら身近な人と別れの時間を持てた事でしょうか・・・但し帰還理由が自社の倒産危機ですが。
神に等しい力を持つ光の国の巨人でさえこんな状態なのですから、私達人類はもう少し自分達の無力さを認めつつ、その分強みとして持っている手を取り合う力を伸ばしていくべきだと個人的には思うわけです・・・言葉にすると簡単でも実際にはなかなか難しいですけど(TдT)
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サブカルチャー的なものを中心に緩く語っています(゚∀゚)