真冬の午後
真冬の午後の陽射しを浴びて、くたびれた道を歩いていると
僕の未来がキレイなものじゃなくても赦せる気がした。
今がこんなに眩しくて暖かいから。
顔を歪めて人並みであることにしがみついて、
積み上げてきたものに未練なんかない。
そう言い切れることがそもそも幸せだから。
不十分な自分でも良いよって
昔に戻って自分に言ってやりたい。
見渡せば誰も彼も足りなくて
自分だけが許されたような顔をしているだけ。
空っぽだなんて傲慢過ぎるよ。
ガラクタで埋め尽くされた感情を
重たく引き摺って歩くのが精一杯。
人並み以下なら妥協も幸せの元だろう。
いつもより少し遠くまで歩くと、どこかの通学路に差し掛かる。
自転車で並んで走る二人。埋められない寂しさを思い出す。
誰かが傍にいてくれれば
それだけで満たされるって思ってた。
『助けてあげたい』って君は言うけど
こびり着いた孤独は剥がれなかった。
空っぽだなんて哀しすぎるよ。
どれだけ集めても満たされなくて。
重たく引き摺って歩くのが精一杯。
一度手にしたら捨てられないだけ。
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