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鴎【自由詩】
時を刻む理
変わり続ける日々
陽が落ちて静か
伸び行く影
続く人と道
立てば歩めとまた衒い
恥知らずにも命燻らし
煙草の火は揺らり
日が経てば今
漸く生い茂る山際
樹々の葉は騒めき翳り
隙間から観る月涼し
相反する美しい日々
泡沫の様な夢の最中に
囚われては裏切る
幸福論さえも訊かずに
疑念持たずの世の末も
一興と笑える日が来れば諸共
楽しく蒼穹へ堕ちましょう
笑って泣いて情さえも
運命を定め手繰り寄せ
自らの手で切り拓く
その解きには言葉も出ない
現を抜かすのには恵まれ
夜来の雨に苛立ち
土の苔が群生して薫り
水光の輝きは目に刺さる
あの時鳴いた鴎は誰だ
- 完 -