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repeating story【自由詩】
脚本通りの結末を望んだドラマの最終回では
ハッピーエンドでなくては終われない仕様で
巡り巡って振り回される日々にもがく人々は
永遠かと思えるくらい繰り返される毎日の中
実際に終われない事を悟るこの劇中の主役は
ただの脇役の様にその台本に馴染んで行って
その先が見えないストーリーは続く事になる
君の大切は僕も大切だと気付き嬉しくなった
そこにある林檎や流れて来る音楽を僕と君は
退屈な日々の先に在る物みたいに手で掴んで
覗き込んでは未来や夢や光となるものになる
欠けた月とバランスの崩せない星を眺めては
更にその先を想って脳裏に焼き付けて観たら
置いてかれた僕等は駆け抜けた気分になった
溢れて来る今を掬いあげて口に含んでからは
静かに佇むビルの隙間に弱く吐き出していた
流れて行く言葉達が遂に君を傷付けてしまい
全て語るとは思えない伸びた影の冗談ですら
勇気の無い僕はただ消え行くのを待っていた
好奇心旺盛な君はその先すらも眺めてるのか
この夢で終わってしまうならまたさようなら
日々は君との想いで出来ていたんだと気付き
また季節を無駄にしている事すらも忘れても
そんな世界にいる事は薄れて行く記憶にある
今の君には響かない事なのだと解っていても
ずっと僕のそばに居た君は知っていただろう
知らなかった僕は君の希望に応えれず嘆いて
僕と君が笑い合えない物語がまた始まり行く
- 完 -
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