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教員の理想と現実の間で葛藤~教員のワクワク感が教育現場の変化を生む~

こんにちは!
Glocal Solutions from Classroom(GSC)・SNS担当のTAKUYAです。
今回も引き続き、メンバー紹介Part6になります。今回紹介するのは、GSCの中心メンバーである、Kaoriさんです。大学・大学院時代での留学を通して、様々な文化の違い(ワークライフバランス・学校の学習環境など)を感じ、それを現代の教育現場に活かそうと奮闘している様子をお楽しみください。特に現代の教員の働き方へも言及されているので、ご興味のある方は是非、ご覧ください。

これまでの道のり


中学時代に英語への情熱が芽生え、大学時代に交換留学生としてニュージーランドに留学しました。異文化交流を通じて、言語の壁を越える楽しさを実感し、英語教育の道に。英国や韓国での研修を通じて海外の教育に触れる中で、個別最適な授業へのシフトの重要性を強く感じるようになりました。米国大学院留学を経て、授業で同年代の海外の子どもたちをオンラインで繋いだり、デジタルツールを積極的に活用したりするなどして、生徒の多様な学びに応じた新しい授業スタイルを展開しました。現在は、多忙な中でもスキルアップを目指したい教師をサポートすべく奮闘中です。ライフ・ワークバランスを大切にしながら、より良い授業実践のために日々挑戦する教師のために、個別最適な授業づくりのヒントや海外交流の機会を提供し、より良い学びの場が作られることを目指しています。

教師時代の英国研修で学んだ意外なこと


私が新米教師として働いていた頃は、働き方改革という言葉はまだ出回っておらず、教師は夜遅くまで残業し、毎週末も当たり前のように部活の指導がある日々でした。そんな中、英国での研修で2ヶ月間、英語教授法について学ぶ機会をいただきました。そこで出会った8名の教師とは今でも教育について語り合う仲間ですが、最も鮮明に覚えていることはある意外なことでした。それは、英語指導法でも論文の書き方でもなく、講師である一人の女性からの生き方のアドバイスでした。今思い返せば、当時の学校の労働環境はライフ・ワークバランスなんていう言葉が理解されない時代。彼女はこれまで何度も日本人教師を受け入れてきて、私たちが生活を犠牲にして働いていることをよく知っていました。彼女は私たちに、教師としての成長もプライベートの時間も両方大切にしながら働くことが、ゆくゆくはその先にいる生徒たちやより良い教育につながるということを教えてくれました。

コロナ禍のアメリカ留学が教えてくれたこと


教師として働きながら米国の大学院に進学した2019年。渡米して半年を過ぎた頃、新型コロナによるパンデミックで状況が一転し大学も閉校に。そんな中、目を見張ったのが大学の授業のオンライン授業への切り替えの速さでした。加えて、安心安全な学習環境づくりへの配慮や双方向の授業の工夫がされ、何よりもコロナ禍でクラスメイトと繋がれることへの安堵感やオンライン上でも協働できる充足感は想像するより大きいものでした。教授たちの「学びをとめない努力」が、私の心を大きく揺さぶりました。一方、日本では閉校して随分経ってもオンライン授業に切り替わる気配がなく、日頃からデジタルツールを授業に取り入れていない現状が明るみに。日本教育のデジタル面での遅れを痛感しました。日頃からデジタルツールを活用し、多様な学びに応じた指導につなげていく重要性を強く感じ、帰国後すぐに授業実践へ。モチベーション向上のみならず、多様な形で授業参加できる強みや、より気軽に国際交流ができる良さが明確になりました。

地元発信型、オンライン国際交流の魅力


帰国して2年目の学校にはALTも配置されておらず、生徒たちの英語を学ぶモチベーションが低い状況でした。そこで、アメリカで知り合った人の子どもさんと月に1回オンライン交流を開始。初めは言葉が全く出ない状況から、何かを伝えようとする姿や、相槌をうったり、聞き返したりする姿が徐々に見られるようになりました。外国人に地元の特産物や観光名所についてオンラインで発表するにあたっては、地元の生産者さんにインタビューしたり、特産物を食レポしたりしてプレゼン内容を考えていきました。そのうちに、地元に関心をもち、誇りをもって発表しようとする姿が見られるように。相手を意識したプレゼンに加え、外国人からの質問に答えるスキルも向上しました。地元に目を向け、リサーチし、一緒に発信できたことが私たちにとって貴重な時間になりました。「地元の良いところを伝えられた」「英語が前より好きになった」「話すことが少しできるようになった」と、『英語力✖️地元発信力』でグローカルな生徒に近づく魅力を感じました。

これからの取り組み


これまで日本の教師といくつかの国の教師をつなぐサポートをさせてもらいました。初めてオンラインでつながる瞬間の教師のワクワクした表情が何よりの喜びにつながります。教師のワクワク感こそ、その先の教育の大きな変化をもたらしますよね。交流は生ものなので、良いときもあれば、うまくいかないときもあります。でも、一歩を踏み出してチャレンジする先生の姿を必ず生徒は見ていて、その姿が生徒の次の一歩につながります。だからこそ、ゆとりのある心で、それぞれの生徒の成長に寄り添えるように、私たちができるお手伝いをしていけたらと思っています。教師の人生を大切にできる職場でない限り、その先の生徒を大切にはできません。理想と現実の間で葛藤する教師の負担を軽減し、自分が取り組みたいことを実現できる環境であってほしい、そして、その先の生徒たちがより快適に、いきいきと自分の夢を見つけていってほしいと願いながら、自分の強みを活かして学校教育に貢献します。


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