イノベーション人材を新しい組織で活躍・定着させるためのポイント
こんにちは、三木です。ここ数年、DX推進のためのデジタル人材、新規事業の開発・拡大のための専門性や経験値が豊かな人材など、組織に変革をもたらす人材の中途採用を強化される企業が増えています。
(※)ここでは、このような人材をまとめて「イノベーション人材」と表現します
それに伴い、最近は、このようなイノベーション人材を早期に活躍させられないという悩みや、活躍中のイノベーション人材を自組織に惹きつけ続けること、つまり定着が難しいというお悩みを聞くようになりました。
そこで本記事では、彼らを新しい組織で活躍、また定着させるポイントを紹介したいと思います。
イノベーション人材を早期活躍させるための2つのポイント
彼らの早期のパフォーマンス発揮に必要なものは情報です。そのための環境づくりをすることが重要です。具体的には以下の2点です。
①仕事に関する有益な情報へのアクセス方法を提供する
知識もスキルもある人であれば、仕事の成果に必要な情報があれば思考・判断、意思決定、行動が出来るものです。ところが新しい組織では、どんな情報があるのか、その情報を誰が持っているのかがわからず、アクセス上手くできないから躓きパフォーマンス発揮の妨げになるのです。
また、情報は、得てして人が持っているものでもあります。情報ネットワークとともに、業務に関わる縦横ナナメの人的ネットワークを得られるように考えサポートをしてください。
②フィードバックによって、この先の見通しが持てるようにする
ハイプレイヤー人材に対しては、上司が必ずしも業務のアドバイス出来るとは限りません。それでも、上司からの期待(成果と目標)と現状に対してのフィードバックは、彼らが現在地を把握し、目的地に向けて自身をチューニングする重要な情報になります。この先、やっていけそうかという見通しをある程度持つことにつながるのです。
また、早期に会社の経営陣との接点を持たせることも必要です。直接、経営トップからのビジョン・方針や課題、彼らへの期待を聞くことが、自身のやるべき事を短期・中長期で思考することを助けます。
ハイプレイヤーの入社となると、上司も同僚も「お手並み拝見」といった対応や、あるいは「自分からは何もアドバイス出来ない」という遠慮から、結果的に孤軍奮闘になりやすいのです。そのような傾向に注意して、サポートをしてください。
イノベーション人材を定着させるための3つのポイント
私たちは、彼らは常に選択肢を持っていることを理解する必要があります。そのため、あなたは私たちにとって「特別な存在だ」と示す必要があります。具体的には以下の3点です。
①成長機会を積極的に提供する
彼らは、成長し高い成果を出すことにこだわります。今の会社で自分の成長の道が閉ざされている、昇進や活躍の機会を先延ばしされていると感じると、成長の道筋がハッキリ見えると思える企業に転職してしまいます。
「ファストトラック型」(※)のキャリアパスを取り入れる企業も増えているように、公平な機会の提供、公式なルールに則ることに固執し過ぎず、彼らの成長のために積極的に機会を提供することが必要です。
(※)早期の選抜・抜擢による特別ルートの人材育成の仕組み。早く有望なリーダーを育成するために経験や実績をつけさせることを目指したもの。
②「提案」を受けとめ、検討する
イノベーション人材がイノベーション人材たる所以は、高いレベルでの成果のために、エネルギーと情熱を込めて自らを磨いているからです。他の誰よりも成果にこだわり考えて仕事をしている自負があるからこそ、その意見や提案を議論の余地なく却下されることがあれば、「ここではやっていけない」と判断してしまいます。
また、彼らは、自分の持てる知識やスキルを活用しさらに強化していく事に貪欲です。そのための手助けも求めているものなのです。
③称賛をする
イノベーション人材は熱心でもともとやる気に満ちているので、彼らにほめ言葉は不要だろう、ほめてもそんな言葉に無関心だろうと決め付けがちですが、実は逆なのです。
彼らは、多くの時間をかけて難題に取り組んでいます。それ故、常に失敗のリスクを負っているし、実際に失敗を味わうことも珍しくありません。だからこそ、称賛し、認められることが必要なのです。
高い成果を出すイノベーション人材には、見合った報酬を支払うこと。これはもちろん重要です。ですが、必ずしもそれだけで、自組織に惹きつけ続けることは難しいのです。
いかがでしょうか。少しでも参考になりましたら幸いです。
なお、本記事は、以下の内容を参考にしました。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。
(執筆者:三木)
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