部下面談前にチェック!キャリア形成には目標よりも学習習慣が大切(3/3)
こんにちは。前回は、「若手部下のキャリア希望が無い問題」に対し、何を学ぶと変化をチャンスに変えてキャリアに繋げられるのか、という話でした。今回はその続きです。
実際、面談でどんな話をすれば良いのでしょうか。
将来の夢やキャリア目標の話はしません(もちろん部下本人がそれを話せる・話したい場合は別です)。次に何を学習していくのかと、そのためのアクションを話し合うのです。
キャリア目標を話さない理由は、目標を立ててもなかなかその通りに行かないからでした。
そもそも、若手は、将来の目標を立てるのには材料不足です。なぜなら、仕事の経験が少なく見えている範囲が限定的です。また、仕事を通じて自分の興味関心、得手・不得手、価値観に気づく体験も少ないです。
限定的な視野や一面的な自己理解をもとに将来を考えようとすると、表面的なキャリア目標になってしまったり、「うーん、特に無いですね…」という回答になってしまいやすいのです。ですから、ここは深堀りしません。
むしろ、深堀りすべきは、現在の仕事です。経験から学び得たことを、さらに発展させていくにはどうしたらよいか?ということを一緒に考えるのです。仕事の意味づけをし、部下が有意味感を得ることで、さらにそれを発展させていこう!という学習意欲を持たせます。
①経験からの学びを整理する
「経験してきたことから学んだことはどんなことか?」
「あなたにとっての興味・関心、大切だ、価値があると思えることはどんなことか?」
②次に何を学べばよいかを考える
「次に何を学べば、今の仕事と親和性を持たせながら自分の興味関心をより発展できると思うか?」
「どんな風に、今の仕事をより膨らませることができるか?」
③次にどのような行動が必要かを考える
「発展させていくために、どんなことを経験して学んだり、身につけていく必要があると思う?」
※前回の記事で紹介した、コンセプチュアルスキルやヒューマンスキルで置き換えるとどうか、も一緒に考えてみてください
部下が今やっている仕事を通じて、本人の興味関心や価値があると思えることをどんどん発展させていく感覚を持てるように、一緒に考えてみます。
スムーズに話が進まないこともあるかもしれません。ただ、部下自身が体験してきたことは必ず話すことができるものです。話を聴き、考えや思いを掘り下げることで、部下自身のこれを「学びたい!」を引き出せるように、私たちもトライしていきましょう。
そうすることで、私たち自身も、先のキャリアにつながっていく力を磨くことができようになります。
(執筆者:三木)