2024年4月15日の週(4月13日~4月19日)にピックアップした
日・米・韓の小売業界ニュースをお届けします。
今週のおさらいに、ぜひどうぞ!
オリオンビール「地元優先マーケティング」 沖縄県外でUGC生む工夫 - 日本経済新聞
私たちがSNSなどで日々ポストしている投稿は、
マーケティングにおいて「UGC」と呼ばれたりします。
UGCとは
「User Generated Contents」
(消費者によって作成されたコンテンツ)
の略で、
SNS投稿のほかにも、
食べログやAmazonに書き込まれたコメントや、
YouTubeの商品レビュー動画もUGCに含まれます。
UGCはマーケティングにおいてかなり重要視されていますが、
それはUGCがもつ以下の特長から来ています。
ユーザーが信ぴょう性を感じやすく、読みたいと思う
他のユーザーにシェアする意欲が起こりやすい
購入などユーザーが行動に移す可能性が高い
実際、マーケティング市場分析を行うNielsen社の調査によると、
34歳以下の若年層では身近な人の意見や企業による発信に次いで、
他の消費者が書き込んだネット上の意見を参考にするとされています。
では実際に、UGCが売上にどのように貢献するのでしょうか。
理想シナリオではありますが、例えば以下のステップが考えられます。
他の消費者の口コミ(UGC)を読み、レビューされた商品に興味を持つ
その商品を複数のSNSで検索し、他のユーザーの意見(UGC)を収集
購入を検討するため、商品名(や企業名)で検索する
LPから誘導されたECサイトで購入する
届いた商品のレビューを書き込む
1に戻る
このUGCを起点とした購買プロセスで注目すべきは、
企業側からのマーケティングが介在していないことです。
UGCによるサイクルが回り出すと、
その他の打ち手に比べて
企業側がマーケティングに投下する
労力が小さくなるというメリットがあります。
UGCサイクルをひき起こすために必要なのは、
最初のUGCを発生させるための
に鍵があると言えます。
英Unilever、Doveの広告で生成AIモデルを使用しないことを宣言 | Retail Dive
実際の高校生が記者として投稿する『高校生新聞』にて
2022年に次のような記事が掲載されました。
Instagramをはじめ各種スマホアプリでは、
景色や人物の見た目をより美化する
フィルター機能が豊富に提供されています。
人物へのフィルターとしては
肌の色を明るくしたりシミを消したりと
実在の人物より美化した見た目が可能です。
若年層を中心に、SNSに頻繁に触れる層は
このような理想に近づけた画像を見ることが多く、
自身の画像もアップロードするなら加工したものを、
現実の自分の顔をフィルターがけした画像に近づけよう
といった考えを持ち始めても不思議ではありません。
若い女性を支援する英Girlguidingの調査によると、
また化粧品メーカー、株式会社マンダムの調査では、
若年層になるほど、加工し美化された顔に近づきたい
という想いを持つ割合が高いことがわかっています。
実際、静岡新聞の2023年の調査によると、
近年になり美容整形に対する許容度が
高まっているという傾向が見られます。
しかし実際に整形するとなれば、
スマホアプリのフィルター機能ほど
もちろん手軽ではありません。
日々のスマホ画面で見る綺麗な他社の顔と
パッとしない自分のリアルの顔とを比べ、
心理的ダメージを感じる若者も多くいます。
2020年に登場した新しいSNSアプリ『BeReal』は
フィルターを通した映えアピール合戦に疲れた人が
素朴な現実を見せ合う昔のSNSに回顧しようという
ノスタルジーから人気を博しています。
娯楽目的としての画像加工機能は楽しいものですが、
価値や美容の優位性を競い合う目的には限りがありません。
Doveがあえてリアルのモデルを起用し続けることで
他の美容ブランドとの差別化を図ろうとするように、
消費者たちが加工された現実の氾濫に
辟易している時期なのかもしれません。
韓国│宝海醸造売、映画『タクシー運転手』とのコラボボトルを限定販売
韓国は若年層の投票率がとても高いことをご存じでしょうか。
やや古いデータですが、
2017年の韓国大統領選挙では、
10代の有権者のうち77.7%
20代の有権者のうち76.1%
30代の有権者のうち74.2%
と総じて7割を超えており、
4割前後を行き来する日本に比べ
はるかに高いことが分かります。
日本と韓国を取り巻く政治情勢は違うため
単純比較をすることは難しいですが、
韓国は以下のような取り組みを実施しており、
若年層の政治への呼び込みに結実しています。
<韓国の投票日は水曜の祝日>
韓国の大きな選挙では投票日を水曜日としており、
なおかつその日は祝日になるようです。
平日の中日とすることで連休にしづらくし、
遊びではなくちゃんと選挙に時間を使ってもらう
という工夫が垣間見られます。
<選挙割り引き>
投票を終えた証明として、
投票所の前で自撮りした写真を見せると
入園料の割引きやワンドリンクサービスが
受けられる店がたくさんあります。
この取り組みは「選挙割り」と呼ばれ、
日本でも同様の動きが数年前から広まっています。
私たちの身近な例でいうと、
アウトドアブランドPatagoniaや、
家電量販店大手のNojimaも
選挙割りを展開し、
社会的提供価値をマーケティングに組み込んだ活動を展開しています。
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