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トップガン / マーヴェリック

「冒頭からDanger Zoneとか流れて涙するのじゃないの?」、「そんな訳あるか」、なんて夫婦の会話を経ながら公開一週間経ってトップガン / マーヴェリックを観に行った。出だしは36年前の一作目と同じスタイル。流れるDanger Zoneに胸の鼓動が高まりそうになりつつも、平静を装う。そしてバイクに乗るトム・クルーズの姿でギブアップ。映画が私の心を鷲掴み。今回はそんな映画体験の話。

一作目の思い出

一作目が日本で公開されたのは1986年12月。中学生の時に小学生の妹と観に行った記憶がある。それ以上に記憶に鮮明に残っているのは映画の予告編。空母から飛び立ったF14の後ろで空母が回転する姿に度肝を抜かれた。当時、模型を使った戦闘機映画が主流の中、本物を飛ばすという迫力が大画面から伝わってきた。サントラも持っていた。Danger Zoneと合わせて当時ヒットしていたのはTake my breath awayだったか。

トム・クルーズのスター性

私の中で映画俳優と映画スターの違いは、前者が物語の中のキャラが優勢であるのに対し、後者は本人のスター性が優勢であることかと思っている。「XXの映画にYYが出ていた」ではなく、「YYが出ているXXという映画」のようなものか。トム・クルーズ以外だとクリント・イーストウッドやハリソン・フォードなどが思い浮かぶ。007のように様々な役者がそのキャラを演じることで、キャラのブランド力が全面に出てくるものもあるが、今の所、トム・クルーズではないイーサン・ハントとか、ハリソン・フォードではないインディアナ・ジョーンズとかピンとこない

今回、来年公開のミッション・インポッシブル新作の予告編も流れたが、トム・クルーズと言えば全力疾走。大画面でその姿が見れるだけで不思議と元気が出てくる。そして今回の作品では久しぶりにジェニファー・コネリーも登場。この二人が出てくるだけで細かいことは良いかと思わせるエネルギーを感じるが、そこはファン・サービスが徹底している作品。脚本、物語の見せ方、細部までこだわっている。Varietyの記事によると映画の冒頭シーンの数分のために編集の人は15時間分の映像から繋ぎ合わせたそうだ。36年前の一作目へのオマージュ半端無い

シネマ体験

気がつけば映画のマジックにどっぷりと浸かっていて、シンプルなストーリーながら、クライマックスに向けては手にしているジュースは握りつぶしそう、両足は靴越しに床を掴みそうな勢いで引き込まれていた。そして要所要所のポイントを外さない丁寧な作りがこの体験の高揚感を継続させる。途中、現実に引き戻されそうになるものの、映画を映画として疑似体験でき、感情も導かれる。このクォリティーの高さは至福の時

今回の作品は普通に楽しみだったが、あまりネタバレを気にすることもないだろうし、初日にも最初の週末にも行かない程度の個人的な熱量だった。トム・クルーズの作品のパワーを忘れていた。大スクリーンで、良い音響で見ることに意義がある、まさにシネマ。

映画館が明るくなってもしばらく席に座って余韻に浸っていた。隣を見ると妻も同じような反応。彼女も映画の出だしから一気に飲み込まれていたらしい。子供たちとは別に二人で見にきたのは良い判断だったかも。

スケジュールを調整して次はIMAXだな。



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