本日の読書 #073 「カフェインとコーヒーノキ」
参考書籍:『コーヒーの科学』旦部幸博
第二章 コーヒーノキとコーヒー豆 より
カフェインとコーヒーノキ。
カフェインは、主にコーヒーに含まれる化学物質だ。
私は毎朝コーヒーを一杯飲んでから出勤している。
眠気が覚めるし、飲まないときより仕事に集中できるように思える。
そんな「カフェインに対する信頼」を持っている。
コーヒーといえば、カフェイン。
カフェインといえば、コーヒー。
それほど私たちに馴染みのある成分で、
「コーヒーを飲むのは、カフェインを摂取するため」という人も少なくないだろう。
ただ、カフェインに対する一般的な認識は、以下のようなものに留まりそうだ。
眠気を覚ます
尿意を催させる
苦味の原因
本書を読んで、知られざるカフェインの一面を知ることができたので、紹介してみたい。
***
そもそもなぜコーヒー(植物としては、コーヒーノキ)がカフェインを作ろうと思ったのか。
これはカフェインに、上記以外に二つの効果があるためだ。
他の植物の生育を阻害する
一部の昆虫を忌避する
これらの効果により、コーヒーノキが生き延びる確率は高まる。
更にカフェインの薬理作用が、めでたくヒトに気に入られたことによって、コーヒーノキは全世界で求められる植物となった。
つまりカフェインは、コーヒーノキを植物界の熾烈な競争で勝たせるための立役者だったわけだ。
#006 農業革命 で取り扱った小麦と同様に、人間を家畜化することに成功した植物。
それがコーヒーノキであり、そのコーヒーノキを実質的に支配している司令塔が、カフェインだということになる。
ちなみにそんなカフェインは19世紀に「神経症の原因だ」というネガティブキャンペーンを受け、カフェインレスコーヒーが生まれた経緯がある。
あぐらをかいていたカフェインが、王座を奪還された瞬間だ。
こうやって、世界の歴史をカフェインの目線で紐解くのも、面白い。
あと、コーヒーって、本当に美味しい。
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