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本日の読書 #050 「我以外皆我師」
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参考書籍:『成長の技法』田坂広志
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第四章 【我流の壁】「我流」に陥り、優れた人物から学べない―私淑の技法 より
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我以外皆我師。
作家である吉川英治のことば。
自分以外の人やモノすべてが、自分に足りないものを教えてくれる。
そのような謙虚な心持ちで生活しなさい。
といった意味だ。
私が大事にしている座右の銘の一つでもある。
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私は人に対してだけでなく読書についてもこの観点を大事にしていて、
基本的に「読む意味のない本なんて無い」と思っている。
ジャンルでいえば小説は言わずもがな、想像力を身に付けさせたり、自分の見識や使うことばを拡充してくれたりする。何より楽しい。
実用書やビジネス書の類は、知識やノウハウをコレクションすることに価値があるのではなく、何かの行動を起こさせるためのカンフル剤みたいなものだと考えている。これは丹羽宇一郎氏の受け売り。
私はノンフィクションも結構読むが、これは主に社会のことを考えるキッカケになる。また自分の考える軸を安定させるための教師、あるいは反面教師としての役回りが大きいと考える。
【余談】
昔読んだノンフィクションである『母という呪縛 娘という牢獄』について。
凄惨な事件の一部始終を描く陰鬱とした内容だが、親として読んでおきたい一冊。
では内容がイマイチな本はどうだろうか。
「イマイチ」なのだから学ぶことが無いのかといえば、そんなことはない。
たとえば「文章が読みにくい」と感じたのなら、それを逆に利用して自分の書く文章を読みやすくすることができる。
また中身に不満を感じたとしても表紙や帯に「なるほど」と思わせるものがあったり、章立ての構成が上手だったり、節タイトルが秀逸だったりする。
そういった文章以外の部分で抱いた感想についても記録に書き残しておく。
良いものも悪いものも、書評するうえで材料にはなる。
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読書していて「自分に合わない本」なんていくらでもある。
しかしそれも「なぜこの本は自分に合わなかったのか」と内省するキッカケになるので、むしろ喜ばしいこと。
なんだか今回は堅苦しい文章になってしまった。
これも反省のキッカケにしよう。
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