本日の読書 #055 「起転承結」
参考書籍:『みんなが書き手になる時代のあたらしい文章入門』古賀史健
第四章 起承転結をひっくり返せ! より
起転承結。
我々のよく知っている「起承転結」とは異なる考え方だ。
そもそもの「起承転結」について定義を見てみると、このようになる。
この「承」と「転」の配置を入れ替えるのが、著者の薦める「起転承結」だ。
起こした物語をふくらませるのではなく、まず転じる。裏切る。
ではなぜ「承」と「転」を入れ替えるのか。
それは、現代における文章は、
「承」で離脱されてしまうから。
インターネットが普及して、スマホで誰もがあらゆる文章を読むようになると、文章は「基本的には読まれないもの」となった。
だから、起転承結。
冒頭に軽く背景情報を書いたら、すぐにひっくり返すのだ。
浦島太郎なら、竜宮城の玄関に玉手箱がある。
桃太郎なら、イヌサルキジの監督下で桃を割る。
そんな感じだろうか(違うかも)。
何にせよ、
文章の始めの方で「おっ?」と思わせる工夫が現代には必要だ。
ではどのようにして文章を作っていくか。
著者によれば「転」→「起」の順番で組み立てるといいらしい。
つまり、まず自分の主張を「転」に設定する。
そのあと自分の主張とは真逆の一般論を「起」にするのだ。
このとき、自分の主張が珍しいほど、言い換えれば、真逆の一般論が皆に浸透しているほど効果的だ。
たとえば自分が
「子どもには好きなだけゲームをさせた方がいい」
と考えているとする。
ちゃんと理由もあるのなら、これを「起転承結」にしない手はない。
なぜなら「真逆の一般論が浸透している」からだ。
「起承転結」のままだと、
といった感じ。
これ絶対「承」で離脱される。
だって退屈だし。
しかしこれを「起転承結」にすれば、
となる。
読み手に、燃料である「意外性のある主張」が早めに補給され、その後の文章を読んでもらえる可能性が高まる。
同じ内容でも、配置や構成で読まれるかどうかが決まることもある。