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なぜ成年後見人活動は福祉事業管理職業務支援に生かされるのか?

はじめに:福祉現場における課題と成年後見人の役割

福祉事業管理職としての業務では、利用者のニーズに合わせた支援計画の策定や法令遵守、職員間の調整が求められます。一方、成年後見人の活動では、被後見人ご本人の財産管理や意思決定支援を行う中で、細やかな配慮や適切な判断が必要です。どちらの役割も、利用されるご本人の生活の質向上を目指すという共通の目標を持っていますが、どのようにこれらが関連し合い、互いに役立つのかを具体的なエピソードを通して紹介します。
(成年後見人は社会福祉士として受任してます。)

成年後見人としての慎重な支援対応


成年後見人の役割は、被後見人ご本人の財産管理や生活の安定、意思決定支援などの身上看護にあります。たとえば、報告書作成の際、1年間の収支を詳細に確認し、10万円以上の増減についてはその根拠を明確に示す必要があります。ここでは、不正な使用がないか細心の注意を払い、利用者の利益を守ること、それが裁判所に常に言われていることです。

この慎重な姿勢は、福祉事業管理でも役立ちます。たとえば、施設内の資金運用や事業計画の作成時においても、同じように厳格さと透明性が求められるからです。これにより、組織全体の信頼性が高まると同時に、利用者に対する責任を果たすことができます。

後見活動、障がい者支援における意思決定支援


後見活動、障がい者支援においても、被後見人ご本人の意思決定支援は重要です。しかし、被後見人であるご本人すべての希望が叶うわけではありません。社会資源の限界や社会のルールに従いながら、被後見人であるご本人の希望をできる限り尊重する必要があります。

担当者会議の役割と意思決定の調整


私は被後見人であるご本人の意思決定をサポートするため、担当者会議に出席しています。この会議では、ご本人の状況や課題を共有し、支援方針を具体的に調整します。たとえば、新しい生活環境に適応できず、精神的な不安を訴えていたケースでは、支援者間で生活リズムの見直しやサポート内容の柔軟な変更を協議しました。

わたしは主にご本人の意思決定を支援するため、他のサービス担当者とできる限りの調整を行います。

このような調整を通じて、ご本人のニーズに合った支援を提供できるよう努めています。

言葉が話せない被後見人であるご本人との信頼関係構築


言葉が話せないご本人とのコミュニケーションは、最初は難しいものでした。2人っきりになると何を話していいか分からず、ドキドキしたものです。


最初は、意思疎通に苦労し、施設職員の助けが必要でしたが、時間をかけて信頼関係を築きました。

今では、「あいうえお表」と数字表を使って意志を伝え合えるようになり、「困っていることはありませんか?」と尋ねると、ご本人は私に、悩みや希望を自分のペースで教えてくれるようになりました。

この経験は、「見た目で判断しない」姿勢を強くするきっかけとなりました。言葉が話せない人も、内面では多くのことを理解し、意思を持っています。

支援者が焦らず、丁寧に対応することで、ご本人は安心して本音を語れるようになります。この姿勢は、福祉事業管理サポートでも重要な要素です。

いまでは、毎月の訪問を楽しみにされていて私も嬉しいです😊

福祉事業マネジメントへの応用


成年後見人や障がい者支援で得た経験は、福祉事業のマネジメントにも応用しています。

意思決定支援の基本は、ご本人の希望と社会のルールの間で調整し、ご本人が納得できる形で意思決定を支援することだと思ってます。この姿勢は、福祉施設の運営においても有効であり、スタッフ間のコミュニケーションや信頼関係の構築においても欠かせません。

ある被後見人のご本人が、飲み込み機能が衰えてるのでおかゆにしたところ「おかゆは美味しくないからやめたい」と希望した場合、他に良い方法がないか、実現可能な方法を模索します。
この方は、柔らかいご飯とおかゆを食べていらっしゃったので、柔らかいご飯はそのままでおかゆだけを
高カロリーゼリーにできないか?と栄養士と施設職員と調整してくれるようになりました。

このような調整が意思決定支援の1つの例となるのではと思います。

福祉事業の未来を支える信頼と調整


成年後見人としての活動は、ご本人の財産を守り、ご本人が安心して暮らせるよう、ご本人の希望を尊重しつつ、社会のルールや資源の限界を踏まえた適切な調整を行うことが求められます。

この経験は、福祉事業管理職業務支援においても生かされ、ご本人が安心して生活できる環境を整えることに寄与します。

これからも、支援者としてのスキルを磨きつつ、担当者会議などの場を通じてより良い支援方針を追求し、被後見人のご本人の声に耳を傾けることを大切にしていきます。

成年後見人として、私が耳を傾ける「静かな声」は、福祉事業全体の運営方針にも影響します。

被後見人のご本人の声に基づく意思決定は、ただその場の問題を解決するだけでなく、組織全体の信頼を築き、現場の職員にとっても指針となります。

信頼が築かれると、スタッフ間のコミュニケーションも円滑になり、施設全体の士気が高まり、より良い支援が実現できると思います。

これからも、成年後見人として得た経験を福祉事業管理の現場に活かし、被後見人ご本人のニーズと社会のルールの間で最適な調整を行いながら、成年後見人としても成長を続けていきたいと思います。


自己紹介

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