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物語「GreatesT’rip Jum”V”oyage」15−2. okujyou jum'v'oyage 『破』(捌)ーろ


前回 GTJVー15-1

「父と母はいるよ。でもミノルの予想は外れ。二人とも」

 そう言うと、両手をわたしの前に出した。白くて細い爪もくっきりとした、美少女の手。でも爪は短く切られていて、ところどころ細かく皮が剥がれている、家事とかをする人の手だ。報われない少女が、家の手伝いをさせられたりする物語を思い出した。少女は最後は高貴な人々に救われて、ハッピーになるんだけれど。

 突然右手が空を指さし、左手の指はアスファルトの床の方に向いた。

「どっちにいったのか、よくわからないけど」

 耳の奥の方で、ごうごう、と警告するような音が鳴った。風は吹いていない、のに。

(あのさ、シキ)

言おうとしたわたしより先に。

シキが先手をとってきた。

「ミノルの家族のことを教えてほしいな。兄弟はいるのか、お父さん母さん含めどんな人たちなのか。いい人たちなのか、そうじゃないのか、その他色々」

 よりによって一番答えたくない質問をされるとは。何でこのタイミングでそれを聞いてくるかな。

「どうしたの、ミノルの番だよ、さあ」

 朗らかかつやさしく促してきた。それは同時に、責めるような言葉だ。

 でも、こっちも答えなきゃ。

「父も、母も、いない」

 絞り出すように答えた。

多分もう少しちゃんと説明しないと、シキは勘違いする。

「そうなんだ。じゃあ、別の世界にはいるの? なら、わたしと同じだけど」

 ほらね。そうじゃないよ、シキみたいに、悲しい事が有ってもつらくても、主人公になれる強い人とは違うんだって。

「ちょっと待って。ちゃんと説明する。わたしを生んだ人たちは、今もいるよ。というか今も一応夫婦。でも父と母は、やっぱりいない。一緒に住んでいるのは、おばあちゃんとその娘」

 続きを話すのを迷っている。言いよどんだとか、小説なら書かれるんんだろう。

けど、言うしかないよね。

「それが、つまり」

その人の名前を言う。

「でも、お母さん、じゃないんだ。あくまで」

 ほんの一瞬だけ、シキの顔が、えっ、てなったのはさすがに気付いたけど、すぐにいつもの顔に戻ったから話を続けよう。 

それにしてもこのもどかしさは何だろう。伝えたいと思っていることを形にしてみても、それは取るに足らない、出来損ないばかり。心の中でメモを書いては破り、また書いてはやぶる感じ。かりかり、びりっ、かりかりびりっ。

「そうなんだ、面白いね。いろんな形があるんだね」

初めて聞いたことのように、シキが答える。いや実際初めて話したんだけど、新しいことに触れることができた喜びが伝わってきたから。

とっさに何か打ち消そうとして

「別に、そんな大したことじゃない、じゃなくて、普通……でもない。ああ、なんて言ったらいいんだろ……」

こういうところの自分が嫌い、って言おうとしたのに言えない。

「面倒くさいな……」

「そう。ならやめてしまいましょう! これで解決」

シキがちょっとおどけた声で提案してきた。

「いやシキが聞いてきたんじゃん! いくらなんでも適当すぎるだろ!」

半分話のツッコミとして、半分本気怒りな感じで。

「あ、ごめんなさい」

通りすがりにちょっとぶつかった人に言うように謝ったあと、シキは何かを多分真面目に考え出した。うーん、と空の方を少し見上げ、ほほの下の方に人差し指を当てる感じで。ちょっとわざとらしい、今どき誰がやるのかポーズなのにシキがすると、絵になるんだよねくやしい。

「ミノルが困ってほしくて質問したのではなくて、ミノルが困らなくなってほしくて質問しました。だから言いづらいならこの話は終わり」

ということでどうでしょうか?。、とまたいたずらっ子の笑顔で聞いてくる。

何でこっちが恥ずかしくなるんだろ。というか、シキは誤解している。

「いや、言いたくないとか言うのが嫌、でもなくて、伝えたいんだけど言葉が出てこなかっただけ。なんだっけ」

「ゴイリョクブソク?」

「そうそれ。だから、わからないなりに伝えてみる、のがいいんだと思う。でいいかな?」

言わなかったけど、シキの家族のこと聞いちゃったし、ね。

「もちろん!」

シキが空のやつみたいなスマイルをする。

「いろんな人の形があって、いろんな人たちの家族の形がある。それを知りたい。そういえば、この間会ったんだよね。うまくいった?」

という聞き方はちょっとブスイだったかな、とシキがつぶやく。

まあブスイ、だと思うよ。

本当はわかっている。シキは何も悪くなくて。わたしが、言いたくない、というか思い出すのもはずかしかっただけ。

でもなんだかそれもどうでも良くなってきたな。なんて考えながら。

「はい会ってきました。結果は」

「結果は?」

「いやそんな興味津々な表情で見てくるのやめて言いづらい」

シキはわたしの顔をのぞき込むのをやめて、改めて正面からわたしの顔を見た。

「実際に聞くのが楽しみ。でも、ミノルが話しづらい、って言うのなら、配慮します」

そう言うとシキは私から3歩離れて、体ごと横を向いた。

そのままシキは遠くを見つめていた。

目線の先にあったのは、わたしが歩いている、シントシン。シキが知るわけがないんだけどね。

その横顔を、わたしもぼーっと見つめていた。

あ、というか、わたしが答えるのか。なんて答えればいいかな。

「全く手も足も出ず、完敗でした」

「そうですか。まずはお疲れ様でした」

ややお大げさに、ていねいなおじぎと答えをシキが返してくる。

「手強かったね」

「シキより、というかシキ3人分くらいの手強さだったよ。住んでいる世界が違うんだなって思っちゃった。それでも、シキにはなんだかんだ言ってるけど、ハルコさんには何も言いかえせずに、乗せてもらっていた車、降りますって言って降りちゃった」

わたしは、ちょっと諦めた笑顔をしていたと思う。

シキは何を言うのでなく、少しだけ空の方を見て、もう一度わたしの顔を見て伝えてきた。

「まあそういうこともあるよ。誰が悪い、とか誰のせい、ではなくてタイミングが合わない、みたいなこと。本当に大した理由じゃないんだよね。たまたま学校でうまくいっていなかった、仕事で疲れていた、とか。謎の少年と学校の屋上で出会ったとか」

「おい最後の。この流れで茶化すな」真面目なのかふざけているのか。

思わずつっこみを入れる。

「っでもちょっと意外だな。ハルコさんの話を聞く限りは、そういうことにはならない、って思ったんだけど。まあそういうこともあるかもね」

あれ?

「多分ハルコさんも、旅に出る方の人だったんじゃないかと思ったのだけれど」

おっと?

「自由な方が好きで、自分の思いを大切にすることを共感できて、いい意味で放っておいてくれる人。そして、一番守ってくれる立場の2人のうちの1人だから、間違いないと思った」

やっぱり。

「あのさ、シキさん?」思わず声をかけたけど

「でも、やっぱり人の親になるってそういうことなのかな。一番身近な人には安全で居てほしいとか。別に私は危険な人ではないのにな」

おい聞いてくれ。

「でもダメならしかたない。こうなれば2人だけでも行きますか!」

「いや行きますかじゃない!」

シキが表情を変えないまま驚いた。クラッカーを鳴らされた時の子供みたいな感じ。

そのまま考える時のものに変わって、だいたい5秒後

「すみませんが、ミノルさん? ひとつ確認してもよろしいでしょうか?」

「はい、なんなりとどうぞ、シキさん」

なんだこのやりとり。

「昨日、ハルコさんに断られちゃった、のではないの?」

「違います」

「じゃあ怖くなって言い出せなかった、というわけでも」

「ありません。しっかりお願いしました」

なんだかシキに言わされた感がある、というのは言わずにおいた。

「ほう、なるほど。そうですか。そしてその回答はいかに」

いや絶対普段そんな言葉づかいしていないだろ誰だよ。まあ何でもいい。

「ハルコさん、協力してくれるって言ってた。また何かあれば遠慮なく、って」

協力してくれる、どころかわたしが願うことなら何でもしてくれる、って言ってくれていたのは何となく言わなかった。

「つまり、」シキが推理を終えた推理ドラマの主人公みたいな顔でわたしに問いかける。

ミノルさんがしっかりとハルコさんにお願いをして、ハルコさんが快くOKをしたと。それは成功、だよね?」

シキが聞いてくる。これで解決だ、と言わんばかりに。

「まあ事実はそうだね。でも、わたしはちょっと…」

「ちょっと? 何か引っかかるところでも? 気になるところがあれば何なりと」

いやわたし何言わされようとしてるの。

「あと、ひとつだけ訂正します。私はミノルの対戦相手ではないので、手強くはないよ」

いやこんだけ振り回してきてどの口が。

「ミノル、声に出てないけれど顔に出てるよ」

そう言う見えてないはずの感情をさっと読み取るところこそ、シキが手強い理由そのものなんだけどな。この流れで勝てない、とは意地でも言いたくないけど。

「というより、皆きっと」シキが言いかけた言葉をやめる。

「きっと?」

「敵だなんて思っていないよ、気にしていないよ。ミノルにとって苦手だったり、イヤな人たちだって、別の誰かにとっては大切な人だったり、いい人だったりするんだよ。絶対なんてなくて、その時ごとにふわふわと自分の形が見つかるまで決まっていなくて。


……で、何か他にも聞かせてほしいな。つまり、もう一人、いるんだよね?」

 シキは普段通りに聞いてきた、と思ってるんだろうけれど、普段のシキのなんでも聞くよ、の姿勢以上の興味が見えている。

そして、わたしを否定しない。

 しないけれど、違和感があることはその場で確かにしようとする。はっきりと言わなくても、シキの意図が分かってしまう。

「わたしの父にあたる、トクラさんは、家に居ない。ってよりも父の存在自体は有るけど、常にいない人って扱いになってる」

「失礼かもしれませんが」丁重かつよそよそしい言葉なのに、わりと思い切った口調でシキが聞いてきた。

「家庭内リコン、ってこと?」

「ううん、違う。コセキ上はわたしはまだ二人の子供らしい。もっとも、全然実感ないけれど。なにしろトクラさん、そもそも家に居ないし」

 違うのかー、とシキは考え込んだ。空を見てからわたしに視線を向ける。

「ああ、ジジツコンみたいなことかな? お父さんと、お母さんの名字が違ったりするよね。自由がいいって考える人たちの方法、大変なこともあるみたいだけど」

「それも違う。一応郵便物は二人ともトーキョートの都とソーコの倉、でくる。一応まだ別れてないみたい」 

 こんな身の上話をしに、わたしはここに来たんじゃない。さっさと済ませよう。

「家庭内離婚でも、事実婚でもないよ。あえて言うとすれば」

 シキがわたしを見つめ、次の言葉を待っている。緩やかに風が吹き始める。

「ジジツリコン」

 止まりかけた車輪に、もう一度勢いをつけるように、わたしは話し続ける。止めてしまうと、多分もう話したくなくなってしまう。風がやむ前に、話し終えてしまおう。かりかり、びりっ。かりかりかりかり。

「トクラさんは、普段はぱっとしないくせに、いろんなことを知っている人。昔は手堅く国だかコーキョーだかの仕事をしていたけれど、わたしが小学3年生になったくらいの時、辞めて転職した。一生に一度のチャンス、だったらしい。今は仕事で色々な街を飛び回っているみたいだけれど、詳しくは知らない。ハルコさんやおばあちゃんに聞いても、さあね、そのうち帰ってくるんじゃない、とか、かわされる。て言っても、今さら会っても話すことなんてない。優柔不断なくせに、大事な時に家族より自分の人生を優先させた人なんて知るか」

 そのとき、ぶるるる、と例のアラームが鳴りだした。このタイミングで鳴るのかよ。だからケータイはキライなんだよ。

 カバンに向けて、いつものしかめっ面をしようとしていたわたしは、シキのつぶやきを聞き逃した。

「そうか、もしかして。じゃあ、いつもの振動音は」

 いきなりシキがわたしに近づいてきた。急なことでわたしは、ナニナニナンデスカ、と戸惑うことも出来ず、視線を向けるのが精いっぱいだった。

 体が、顔が、近い。そのまま抱きつかれてしまいそうな距離。

 と、急に右手が軽くなる。

 わたしの手からカバンがなくなり、それはシキの手元にあった。

「少しお借りします!」そのまま屋上を走り出す。

 シキがカバンから物を取り出し地面にさっと置いて行く、参考書やお昼ご飯のゴミビニールや、筆箱やその他色々。

(15-3に続きます)

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Suddenly her right hand pointed to the sky and the fingers of her left pointed toward the asphalt floor.

“I'm not sure which way they went,"she said.
I heard a rumbling in my ears, a warning sound. There was no wind.
(I was about to say something, but she took the lead.
Shiki made the first move.
I'd like to know about your family, Minoru. I wondered if he had any siblings and what kind of people they were, including his mother and father. I wondered why he was asking me that at this time.
What's the matter, it's Minoru's turn. It was at the same time an accusation.
 But I had to answer that question, too.
I have no father, no mother," he answered as if trying to squeeze out a response.
I had to explain more clearly, or Shiki would misunderstand me.
I see," he urged cheerfully and gently. So you're in another world? Then you're just like me," he said. No, I'm not like you, Siki said, I'm not the kind of strong person who can be the hero even when things are sad or hard.
Wait a minute. I'll explain it to you. The people who gave birth to me are still here. I'm not sure if it's a good idea. But my father and mother are still gone. The people who live with me are my grandmother and her daughter. If it were a novel, they would write about my reluctance to tell them.
But I have to say it, don't I?
I'm not sure if I'm supposed to tell you the rest of the story, but my father and mother are still a couple.
But it's not my mother," he said.  
But still, what is this frustration? I try to formulate what I want to say, but it's all inconsequential and unfinished. It's like I write a note in my mind, tear it up, write it again, and then tear it down. Kari-kari-kari-kari-kari-kari.
I'm not sure if it's a good idea or not, but it's a good idea.

There are so many different forms," Shiki replies, as if this is the first time he's ever heard of it.

No, in fact, it was the first time I spoke to him, and I could feel his joy at being exposed to something new.
I quickly try to strike something out and say, "No, it's not that big of a deal, no, it's not even ...... normal.
'It's a hassle. ......' 'Yes, it is. Then let's stop! That settles it," Siki suggested, sounding a bit silly.
I'm sure you've heard of it! It's too appropriate, no matter how much you want to say it!"
I'm not sure what to do with the rest of it.
After apologizing as you would to someone you just bumped into in passing, Shiki began to think about something, perhaps seriously. It's a little deliberate, a pose that no one does nowadays, but when Shiki does it, it's a picture, darn it.
'I didn't ask the question because I wanted Minoru to be in trouble; I asked it because I wanted him to be out of trouble. So if you don't feel comfortable saying it, we're done talking about it," he asked with another naughty smile. I'm sorry," he asked again with a mischievous smile.
Why am I embarrassed over here? Or rather, Siki misunderstands.
No, it wasn't that I didn't want to say it or that I didn't want to say it, it was just that I wanted to tell you, but the words just didn't come out. What is it?" "Goiryokbuseok?"
He smiled mischievously again and said, "Yes, that's it. So I think it's good to try to tell them in a way that I don't understand. Is that okay?"
I didn't say it, but I heard about Siki's family, you know?
Of course!
Siki smiles like an empty one.
There are all kinds of people and their families. I want to know that. I met them the other day, by the way. Did it go well?
I think it was a little bit ugly to ask," Siki murmured.
Well, Busui, I guess.
I know the truth. I don't think there's anything wrong with him. I didn't want to say, or at least I didn't want to remember.
But I don't really care about that anymore. I was thinking, "Yes, I've met him.
"Yes, I've met her. The result? - The result?

I'm looking forward to actually hearing it. The actual "I'm not sure what you're talking about, but I'm not sure what you're talking about.
The first thing to do is to look at the face of the person you are looking at.
The result?" "The result?" "The result was right in front of my eyes, I was walking, Sintosin.
I was also staring blankly at that profile.
What should I say?
The first thing to do is to make sure that you have a good time.

The first thing to do is to look at the sky for a moment, then look at my face again and tell me, "Well, that happens sometimes.
The first thing to do is to make sure you have a good time. It wasn't anyone's fault, it wasn't anyone's fault, it was just the timing that wasn't right. It really wasn't a big reason. I think I had a resigned smile on my face. I happened to be having a bad day at school, or tired from work. I heard that you met a mysterious boy on the rooftop of the school. Don't make fun of this trend." Is he being serious or joking?
I was just trying to get a grip.
But it's a little surprising. The last thing you need to do is to be afraid of the fact that you might not be able to get the right kind of help. The first thing to do is to make sure that you have a good idea of what you're getting into.

I like to be free, and I can relate to the fact that you value your own thoughts and feelings, and in a good way, you can leave me alone.
I'm not sure what to expect. I was surprised to hear that, but I thought to myself, "But I guess that's what being a parent is all about, isn't it? I'm not a dangerous person. I'm not a dangerous person.
The first thing to do is to make sure that the person you are talking to is a good friend of yours. "If this happens, shall we go, just the two of us?
No, I'm not going!"
Siki was surprised that his expression did not change. Listen to me. I feel like a kid when I hear a cracker.
After about five seconds, she said, "Excuse me, Minoru-san? May I confirm one thing?"
Yes, please, whatever you want, Shiki-san.
I thought you said no to Haruko-san yesterday.
I'm not." "Then it's not that I was too scared to tell you?" "No." "I asked you nicely. I didn't mention that I felt like Shiki was making me say something.
I see. I'm not sure what to expect. I'm sure he doesn't usually use that kind of language. Well, whatever.

I'm not sure what to say, but I'm sure you'll be able to find something that will help.

The most important thing to remember is that the best way to get the most out of your time in the office is to be a good listener. That's success, right?"Shiki asked. I was not sure what to expect.
Well, the fact is, yes, but I'm a bit... But I'm a bit..." "A bit? What's the problem? I'm not sure what I'm supposed to say.
And I have to correct one thing. I am not Minoru's opponent, so I am not tough.
I don't want to say that I can't win in this situation, but...

I don't think of you as an enemy.
I don't think of you as an enemy, I don't care about you. Minoru's dislike or dislike for someone else may be important or good for someone else. There are no absolutes, and I haven't decided until I find my own form, fluff by fluff, from time to time.

I'd like to hear something else from you at ....... I mean, there's another person, right?"
 Shiki may think he was asking me as usual, but I can see more interest in him than his usual "I'll ask anything" attitude.
And they don't deny me.
 I don't, but I try to be sure on the spot about what feels uncomfortable. Even if he doesn't say it clearly, I know what Siki's intentions are.
My father, Tokura-san, is not at home.
Is this about domestic sex?
No, no. In Koseki's view, I am still their child. I don't really feel it at all. She looked at the sky and then at me.
I'm not sure if it's like a jizyitsukon or something. I know that my father's and mother's last names are different. Let's get this over with.
It's not a domestic divorce, it's not a de facto marriage. I dare to say," Siki looks at me, waiting for my next words. The wind begins to blow gently.
The first thing to do is to make sure that you have a good idea of what you're talking about. If I stop, I probably won't want to talk anymore. Let's get this over with before the wind dies down. I'm not sure what to say. I'm not sure if it's a good idea or not.
I'm not usually a person who is very bright, but I know a lot about a lot of things," he said. I used to have a steady job working for the government or kokyo, but when I was in the third grade, I quit and changed jobs. This was a once-in-a-lifetime opportunity, it seemed. He seems to be traveling around the city on business now, but I don't know much about him. When I ask Haruko-san or my grandmother about him, they pass me by saying, "I don't know, maybe he'll come back sooner or later. But even if I met him now, I would have nothing to say to him. The alarm went off at that time. I can't believe it's ringing at this point in time. That's why I hate cell phones.
 I was about to make my usual frown toward my bag, when I missed Shiki's comment.
I'm not sure if that's true or not. The first thing that comes to mind is the fact that the alarm is going off. I was too busy looking at him, unable to help but be puzzled by the suddenness of the situation.
 I was so close to his body and face.
 The right hand suddenly becomes light.
 The first thing to do is to make sure that you have a good idea of what you are looking for.
I was too busy looking at her. I ran out of the rooftop.

(Next→15−3)

(Writter:No.4 ヤヤツカ Photo:No.5 ハルナツ Auful translation:Deep L & No.0)

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