【映画感想】望みは叶う『グランメゾン・パリ』
2024年の締めくくりにふさわしい作品、「グランメゾンパリ」を初日から鑑賞してきました。
今年最高の傑作と言っても過言ではありません。
この映画が「映画でしか成し得ない表現」をまざまざと示してくれます。
まさにテレビでは不可能な、映画ならではの作品です。
特筆すべきは音の力。
見た目だけでなく音から伝わる料理の香りや味わいが、スクリーン越しにリアルに迫ってきます。
これを観ていると、自然とお腹が空くんです。
食事シーンの臨場感は格別で、これまで観てきたどの映画よりも「おいしそう」と思わせてくれました。
ナレーションを担当した富永愛さんの声が、味への想像力を掻き立てる演出も素晴らしい。
映画を観終えた後に「フランス料理を食べたい」と強く思わせる力が、この作品にはあります。
物語はテレビシリーズと同じく、危機を迎えながらも尾花夏樹を中心にみんなで乗り越えていくストーリー。
みどころはやはり、尾花たちの試行錯誤。
天才シェフでありながら、料理を完成させるまでの地道な努力が描かれています。
今回の映画では、そのプロセスがさらに深く掘り下げられていて、観ている側も「どんな料理が登場するのか」と期待が高まります。
私個人として特に心に響いたのは、作中で語られる「フランス料理」の進化についての言葉。
「日本料理は見た目も味も50年前と変わらないが、フランス料理は常に新しいものに進化してきた」。
これはまさに尾花夏樹そのものを体現しています。
彼の挑戦し続ける姿勢が、映画全体を通して感じられました。
「望みは叶う」。
年齢に関係なく、夢を追い続けることの大切さが、この作品の核心にあります。
シリーズを通して描かれてきたテーマが、今作でもしっかりと引き継がれ、さらに心温まる形で描かれています。
誰が観ても楽しめる、そして挑戦することの素晴らしさを感じられる映画。2024年を締めくくる一本として、ぜひ多くの人に観てほしい作品です。