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青木まりこ現象の終焉

子供の頃から、書店に行くのが好きだった。
図書館は近所になく、出向くのもなかなか大変なので、もっぱら書店派である。(今は障害者用に配達してくれるサービスもある)

私が小学生の時、母は、漫画以外の本なら買ってくれた。
漫画も見るには見るが、小学校低学年頃は本の方が多かったかもしれない。
だからなのか、今でも、本は「読む」、漫画は「見る」という区別が私の中にある。けして、漫画を軽視しているわけではなくて、(そして実際に描いてみると途方もなく難儀な作業である!)本当になんとなくだ。

そうして書店に度々通った。
しかし、本を選んでいると、いつも何かに襲われる。
書店に行くと必ず起きる、あの”現象”…

「青木まりこ現象」である。

青木まりこ現象(あおきまりこげんしょう)とは、書店に足を運んだ際に突如こみあげる便意である。

Wikipedia

書店に行くと、ほぼ毎回だ。
どういうタイミングで青木まりこ現象が起きるのか振り返ってみると、たいていはランチを終えた後に書店に立ち寄っているのだということに気づいた。

そうか!食事をする前に書店に行けば良いのだ!


名案だと思った。

が、むなしく青木まりこ現象は、私を襲った。

それから書店に行くのが怖くなり、ネットで購入できることもあって、書店から遠ざかってしまった。

数年の間、私は「あなたになど未練はないわ!」的な顔をして、書店の前を通り過ぎた。

実際、本は置き場所に困るし、欲しい情報はネットで手に入る。青空文庫を利用すれば古典が無料で読めるし、正直、目が辛い…
本を積極的に読もうともしていなかった。

読書をサボっているという実感はあった。
本を読むことは、とても贅沢な時間の使い方だと思うし、教養のあるなしはある程度読書量に依存するのではないかと思う。
今年は本を読もうと私は決めた。

意を決して、書店に足を踏み入れた。
懐かしい本、惹かれる本、新しい思想、学ぶべき古典、たくさんの本が私を待っていた。

そして、青木まりこ現象は起きなかった。

ガッツリ食べた後でも、お腹はうんともすんとも言わない。
治ったのか!?

買える。買える。書店で本が買える!

私の青木まりこ現象は終わったのだ。

今日も私は2冊ほど、購入してしまった。
そうして、積読が増えていく…。

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