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#色
誠実な黒ユリ(短編小説)
白いユリの花、マドンナリリーは"純潔"の象徴。
それはあなたに対する私の想いにピッタリだった。
いつかあなたに贈った白いユリの花。
私の名前にちなんだその花を渡して、私だと思って大事にしてね。なんて少し痛々しかったかもしれない。
花のプレゼントって普通は逆だろ。あなたは照れ笑いながらも嬉しそうに受け取ってくれた。
やはりマドンナリリーに比べるとまだまだ不完全なのだろう私は、花瓶を用意していなか
愛の証は紫色(短編小説)
「リン、どうしたの? それ」
リンの首元にある複数の赤い跡を示して、私は答えを解っていながらニヤニヤと笑いながら訊いた。
「新しい彼がね。情熱的なの」
語尾にハートが付くような彼女の口ぶりに私は、ウザあい。と返した。
まだ付き合いだして1週間ちょっとくらいだというのに、彼氏は毎晩求めてくるのだと言う。いや、付き合いたてだからこそだろうか。
やはり同棲という形がそうさせるのだろうか。リンは