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アパレルサバイバル

 また本の紹介です。

 あまり知らない業界のことを知るのも好きで、全然畑が違う業界の本とかも買うようにはしています。今回はアパレル。


著者の齋藤孝浩さんは総合商社、欧州ブランド日本法人、アパレル専門チェーン等を経験。ご自身の経験を元にその後多くのブランドのコンサルを手掛け、海外通でもあるようです。実際に本のなかでもその見識の深さを感じることができます。

 ファッション業界の流れ

今までのファッション業界の流れをまとめると以下のようになるようです。

1960年代  上質で豊富な品揃え→百貨店

1970年代  低価格化・大衆化→総合スーパー・ダイエー

1980年代  専門分野の品揃え深堀とさらなる低価格化→各分野で低価格化

1990年代  自社開発による低価格商品の品質向           上→ユニクロ

2000年代  トレンドデザインの低価格→H&M等ファストファッション 

 つまり10年毎に業界に変革が起こっています。また欧米に比べて、日本へのファッション業界のイノベーションの導入は10年遅れているそうです。

では、次のファッション業界のトレンドは欧米ではどうなっているか

1つ目は、これまでの勝ち組であるユニクロやH&Mの価格をさらに下回る競合がでてきている。プライマーク(英)やオフプライスストア(米)等

2つ目は、オンライン販売の拡大とオンライ注文商品の店舗受けとりの推奨

3つ目は、女性の内面のにフォーカスしたラグジュアリーやスキンケアストアの拡大

4つ目は、店舗で無料体験を提供する業態。カナダのルルレモン等

 この4項目については本書の中で詳しく説明がされておりますので、詳細は本書をご参照ください。

 ファッションビジネスの課題とは

 次のファッション業界のイノベーションを考えるために、現状の課題とはどのようなものがあるのか

① 気温によって需要に対応する

 つまりシーズンがあるという問題です。日本でいうと4種類分作らないといけないし、年によってばらつきがでてしまいます。シーズンがかわってしまうと売れ筋商品も全く売れないということになります。そのため売り切りセールを1か月ほど考えると、シーズンの商品は8か月程(52週÷4-4)しか定価で売れなくなります。

② 販売価格に企業のリスクヘッジを上乗せ

 通常通りのスケジュールでいくと2年前に流行の色を予想し、1年半前にトレンドの予想、その後素材等を決め、半年前のコレクショ等でお披露目するようです。その後買い付けをしていったとしても、8週間しか売らないとなるとかなり効率が悪く、その分は価格に転嫁される形で消費者にしわ寄せがくることになります。

業界の課題をどのように解決するか

 ここからがこの本の核心になってきます。詳しくは是非読んで欲しいですが、一部だけ紹介

①お客様のニーズをテクノロジーで解決

 例えばこの話にはZOZOがよく例にあがります。ZOZOといえば日本最大のアパレル特化ECです。批判が多々あり、撤回もしてしまいましたが、ゾゾスーツやありがとうキャンペーンがなぜ生まれたのか。どんな顧客ニーズを満たそうとしたのかが書かれています。

② リユースについて

  ここではメルカリやクローゼット内の流通革新が事例と共に紹介されてます。ミレニアル世代より上の世代の方は必見です。

③ 海外動向について

 これについては著者の知見に驚くばかりです。アマゾンとかだけでなく、ファストファッションやECの最先端がわかります。

最後に

 以上内容が濃ゆい本なんで一部しか紹介できませんが、是非読んでみて下さい!


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