【読書感想文】ティーナ16歳、トンネルの中の青春―ホームレス生活からの脱出
#読書感想文 というコンテストが、記事を書きやすかったので、再度、別の本で書くことにしました。
今回の本は『ティーナ16歳、トンネルの中の青春―ホームレス生活からの脱出』です。
ずいぶん前に読んだ本なので、正直、内容はそこまで覚えていません。
ですが、その本を読んだときの、本から伝わる苦しみや暗澹たる気持ち、絶望的な想い、じんわりとした破滅の気配が体を包んでいく感覚を、覚えています。
それは、深夜で、当時の俺は、どうしても眠れることなく、薄暗く、寒く、冷たい部屋で、この本を、1ページ、また、1ページと、読み進めていました。
それは、たしかに破滅的な人生をたどる主人公の物語なのですが、
そこには、たしかに、青春があります。それは、とても、苦しく救いようのないような青春だと思います。
ですが、そのページを、かじかんだ指先で、めくるたびに、どうしてか、心が重くなると同時に、衝撃で逆に弾むかのように軽くなるような、
たしかに絶望的なはずなのに、そこには、希望がある。
暗黒の青春譚のようでいて、救済の物語。
けれど、闇は深く、長く、それは、まさに、トンネルのようで……。
その本を読んでいる当時の俺の凍える指先も、白い息も、俺は、なんとなく、覚えている。
どうして、そこまでして、読んでいたのか、
それは、きっと、この本の主人公の、破滅的だけれど、力強く
投げやりだけれど、這い上がろうとし、
けれど、何度も突き落とされて、何度も絶望し、どうしようもなく苦しみ、
人を裏切り、人に裏切られ、自分に迷い、人生に迷う、
その、まさに生きようとする姿に、感銘を受けていたからだと思います。
まさに、その本には、青春がありました。とても、リアルな、想像を絶するような、苦しい青春。
けれど、その青春は、きっと、人の心に触れるものだと思います。
それは、多分、年齢に関係するものではない。
絶望し、惑い、苦しみ、そのトンネルは、人生のどこにあるか、分からない。
そのトンネルを抜けようともがく姿に、きっと、当時の俺は心を熱くし、冷え切った深夜の部屋で、1ページ、また、1ページと、静かに読み進めていたのだろうと思います。
ティーナは、たしかに、トンネルを抜けました。暗闇の底のトンネルを。
その力強い姿が、きっと、本の内容が記憶から消えていった今も、俺の記憶に焼き付いているのだと思う。
『ティーナ16歳、トンネルの中の青春―ホームレス生活からの脱出』は、絶望のトンネルを抜ける力強さを垣間見ることのできる、心を鼓舞されるとてもいい本です。
そういうわけで、今回は絶望の青春を描いた海外の本『ティーナ16歳、トンネルの中の青春―ホームレス生活からの脱出』の記事でした。ありがとうございました。
おしまい
( #熟成下書き の記事だけど、いまも俺の中で、この本は大切な想い出の本。俺の中での、たしかに青春の一冊。)