毒親育ちがはじめて経験する安心、安全で、しあわせな日常

きょう階段を登っていたら、ネコがわたしを追い越していった。
その愛おしいおしりを見つめながら、しみじみと思ったんだ。

あぁ、なんてしあわせなんだろう。

こんなにしあわせでいいのだろうか？

部屋を移動するわたしのあとをネコが追いかけてついてくる。
のどをゴロゴロと鳴らして甘えてくる。
夜もついてきて一緒のふとんで丸まって寝る。
いつでもごきげんでそこにいて、そのままでいい、なにもがんばらなくていいとわたしに教えてくれる。わたしに赦しを与えてくれる。

犬はわたしを見るたびにしっぽをふって、おおよろこびしてくれる。
おなかをだして無防備に甘えてくれる。
出不精なわたしを、お日さまがポカポカと照る美しい公園に連れだしてくれる。
全力でわたしを愛してくれる。わたしなしでは生きていけないんだと、わたしに生き続ける気力と責任を与えてくれる。

むすこはわたしが作ったごはんを毎日「おいしいよ」「ありがとう」といって食べてくれる。世にも美味しいたまご焼きを作ってくれる。わたしと一緒に猫と犬を愛でて愛おしさを共有してくれる。むすこの好きなYouTubeやアニメを一緒に見たり、わたしは全然わからない野球の話を教えてくれる。不登校という暗闇を乗り越えて、自分の足で動きだす力強い姿でもってわたしに感動を与えてくれる。

むすめはいつでも冗談をいったり踊ったりかわいい姿を見せて、わたしを笑わせてくれる。わたしはできなかった女の子らしいオシャレを楽しんだり、わたしには楽しめなかったスクールライフを満喫する姿を見せてくれる。わたしに甘えてくれてむすめを持つよろこびを体験させてくれる。
そしていろんなもの（服とかホルンとか！）を欲しがって、わたしにお金を稼ぐ動機を与え続けてくれる笑

友人は思慮深く、思いやりと節度をもってわたしと付き合ってくれる。わたしが持ち合わせていない常識や人との付き合い方（境界線のひき方）なんかを教えてくれる。そしていつでも味方でいてくれて、寄り添ってくれて、離れていてもわたしの心を温かく支えてくれている。

本当に平穏で心地よくて安心でしあわせな日々。
わたしの人生にかつてこんな日々はあっただろうか？
いや、なかった。
こんなに安心できる日々は本当に本当に初めてだ。

突然、否定されたり無視されたりして心をえぐられることがない。
大きな声で怒られたり、大きな音を立てて威嚇されることもない。
不機嫌や嫌がらせでこちらをコントロールされることもない。
急に態度を変えたり嫌われることもない。
優しさと親切心に擬態した執着心で粘着されることもない。

ここにあるのは優しさと思いやりだ。

なんて優しい世界なんだろう。
こんな安心、安全な世界があったなんて、わたしは本当に知らなかった。