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「一時間もあれば読んでしまえるが、生涯あなたの心を捉えて離さない本」を読んで
タイトルの括弧内は、James Webb Young (1975). A Technique for Producing Ideas:NTC Business Books.(ジェームス・W・ヤング 今井茂雄(訳)(1988). アイデアのつくり方 CCCメディアハウス)の帯に書かれていた文章です。
著者のジェームス・ウェブ・ヤング(1886-1973)はアメリカの広告誌に名を残す人物で、本書はアメリカの広告クリエイターの間で「バイブル」とよばれていたそうです。
実際に読んでみると確かにページ数は少ないのですが、なんだかぼんやりした、ある能力を持った人にしか生み出せない特殊なものというイメージのある「アイデア」が生成される過程が、とてもクリアにイメージできました。
まず、アイデアに関する二つの原理が提示されていました。
アイデアは一つの新しい組み合わせであるという原理と、新しい組み合わせを作り出す才能は事物の関連性を見つけ出す才能によって高められるという原理を頭にとめて・・・(以下省略)
さらにアイデアの作成においては技術があり、それが意識的あるいは無意識的に用いられているということです。また、その技術は意識して修練でき、それによってアイデアを作り出す能力は高められる、という勇気の出る言葉が書かれていました。
その技術は五つの段階を経過してはたらくようです。
第一 資料集めー諸君の当面の課題のための資料と一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料と。
第二 諸君の心の中でこれらの資料に手を加えること。
第三 孵化段階。そこでは諸君は意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのにまかせる。
第四 アイデアの実際の誕生。〈ユーレカ!分かった!みつけた!〉という段階。そして
第五 現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階。
まず、課題に関連した資料(特殊資料)とその他世の中全てを対象とした資料(一般資料)を集めてくるということです。アイデアは要素の新しい組み合わせに過ぎないという原理に基づくと、この過程がとても大切なのですが、実際にはこの過程が軽視されがちだと述べられています。
第二段階では、集めた資料をこねくり回して、要素どうしの関係性はないか、ああでもないこうでもないと組み合わせてみるということです。
十分にこねくり回したら、第三段階では問題を完全に放棄して、なんでもいいから自分の想像力や感情を刺激するものに触れます(音楽、映画、小説・・・)。そうすると、ある時アイデアが訪れる、という段階を経るようです。
創作においても、実際に手を動かしている時間よりも「何をどのように作るか」を考える時間の方が長いような気がします(無意識も含めて)。
本書を読むと、アイデアが生まれるには然るべき経路を辿る必要があるということが理解できます。
まずは、日々「特殊資料」と「一般資料」の収集を意識したいと思いました。
以下、青りんごの制作過程です。これらのパーツをビーズと組み合わせて、イヤリングを作りました。
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この後、かじった跡をつけたり、半割にしたりした後、ヒートンをつけてパーツにしています。
創作テーマにおいても、日々の中で収集した「一般資料」が重要であると感じます。