K SIDE:PURPLE 05
著:鈴木鈴
天才とは、確かにいるものだ。
一通りの型を終えた紫を見て、長谷はあらためてそう思った。
2人がいるのは、『二番街』の片隅にある空き地だ。10メートル四方ほどの荒れ果てた草地で、最初に訪れたときは雑草が伸び放題になっていたから、長谷と紫で草刈りをするところから始めなくてはならなかった。
夕方5時から1時間だけ、自らの鍛錬ついでに見てやってもいい。稽古をつけるというほどのものでもなく、ほんの手ほどきくらいの軽い気持ちで言ったことではあったが――紫の天稟は、長