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#45_子どもを低く見積もらない
「ナスビの学校」は「子どもを低く見積もらない学校」です。
今の子どもたちにとって難しそうな提案があったとき、「それはうちの子どもたちにはできないよ/ムリだよ/できない子がでてくるよ」という意見が、必ずと言っていいほど出されます。このような意見の根底には、「今の子どもたちにフィットした教育活動を組織するべきだ」という思想があります。この思想自体は、とても大事なものです。しかしながら、この思想に「どうせうちの子どもたちにはできないよ」という、子どもたちへの「低い見積もり」や「あきらめ」や「決めつけ」が侵入していないかどうかを、私たち教師自身が丁寧に点検していくことが大事だと思うのです。
私たちの学びを考えるとき、3つのゾーンがあると言われます。「コンフォートゾーン」「ストレッチゾーン」「パニックゾーン」です。
「コンフォートゾーン」は、子どもたちにとって快適です。無理せず、完遂することができます。しかし、子どもたちの資質・能力が高まるかと言えば、それはちょっと難しそうです。子どもたちに負荷がかからないからです。
「パニックゾーン」は、子どもたちが混乱します。何をしていいのかわからなかったり、何もできなかったりします。コンフォートゾーンと同様、子どもたちの資質・能力が高まるかと言えば、ちょっと難しそうです。
……ということで、大事なのが「ストレッチゾーン」です。「ちょっと自分に負荷をかけてがんばってみれば、そして、教師や仲間と一緒にやってみれば、どうにかクリアできそうなレベルに課題が設定されています。このストレッチゾーンにうまく入ったとき、子どもたちの資質・能力が高まっていくことが期待できます。
私たちが考えるべきは「コンフォートゾーン」や「パニックゾーン」の提案をできるだけ避けていくこと、そして、私たちが創意工夫を加えて、子どもたちを「ストレッチゾーン」へとお招きしていくことです。
提案された内容が「コンフォートゾーン」にあれば、どうすればもうちょっと負荷をかけることができるかを発想するのです。
提案された内容が「パニックゾーン」にあれば、どうすればもうちょっと負荷を減らすことができるかを発想するのです。
そうやって「ストレッチゾーン」に近づけていくことで、子どもたちの成長に貢献することができるようになると思うのです。
「ナスビの学校」は「子どもを低く見積もらない学校」です。
「ナスビの学校」は子どもたちを「ストレッチゾーン」にお招きする教育活動であふれる学校です。