ナスビの学校

子どもたちが「生きる方法」をできるだけたくさん学んで巣立っていく。そして,その学校を巣立った子どもたちが,誰にも操作されず,自分の人生を自分で歩んでいける。そんな学校をつくりたい。 そんな学校を「ナスビの学校」と呼びたい。

ナスビの学校

子どもたちが「生きる方法」をできるだけたくさん学んで巣立っていく。そして,その学校を巣立った子どもたちが,誰にも操作されず,自分の人生を自分で歩んでいける。そんな学校をつくりたい。 そんな学校を「ナスビの学校」と呼びたい。

最近の記事

資料には「生みの苦しみ」が付着している。知恵を絞って言葉を編んだり、何度も書き直したりした「生みの苦しみ」が付着している。資料がデータでやりとりできる時代。そのやりとりに「生みの苦しみ」は付着しない。データだけ手に入れても、使えないことが多い。それを理解したうえでデータに触れる。

    • #85_経験していないことを教える

      先日、「キャリア・パスポート」をテーマとする研究会で発表しました。「キャリア・パスポート」をテーマとして発表したことはなかったため、これまでの自分の実践をふりかえる、よい機会でした。 発表のスタートは「キャリア・パスポートのキャリア・パスポート」。自分がどんなキャリア・パスポートをつくってきたのかを、時系列に並べ、どのような変化があったのかを明らかにしていきました。 今回の発表をつくりながら、改めて考えたことがあります。 教師は「自分が経験していないことを教える」という

      • 人生の一大事であり、そして、人生のほんの一部でしかない。この感覚をもちたい。「一大事だ」という感覚だけだと、ちょっとつらくなる。「一部でしかない」という感覚だけだと、ちょっとさみしくなる。「人生の一大事であり、そして、人生のほんの一部でしかない」という感覚を、明日も。

        • #84_「あの日、あのとき、あの場所で……」

          ……とはじまるのは、小田和正さんの「ラブストーリーは突然に」ですが、今日の話題は、ラブストーリーではありません。教師のライフヒストリーです。 かつて関わった生徒(……今ではもう大人なので「生徒」と呼ぶのはあまり適切ではありませんが……)からお便りをいただくことがあります。そういったお便りは、おおよそ予期せぬときにやってくるものです。 「今、こんな仕事をやっています。仕事をやっていくなかで、あの日、あの時、あの場所で学んだことが役立っています。」というメッセージをいただくこ

        • 資料には「生みの苦しみ」が付着している。知恵を絞って言葉を編んだり、何度も書き直したりした「生みの苦しみ」が付着している。資料がデータでやりとりできる時代。そのやりとりに「生みの苦しみ」は付着しない。データだけ手に入れても、使えないことが多い。それを理解したうえでデータに触れる。

        • #85_経験していないことを教える

        • 人生の一大事であり、そして、人生のほんの一部でしかない。この感覚をもちたい。「一大事だ」という感覚だけだと、ちょっとつらくなる。「一部でしかない」という感覚だけだと、ちょっとさみしくなる。「人生の一大事であり、そして、人生のほんの一部でしかない」という感覚を、明日も。

        • #84_「あの日、あのとき、あの場所で……」

          #83_「事務」をカリキュラムに組み込む?

          事務室にいるみなさんは、すごい。 何がすごいかって、仕事が速く、ミスがなく、思いやりがある。 事務室にいるみなさんは、仕事が速い。お願いしたことが、すぐカタチになる。「あれ、さっき頼んだばっかりだったけど……」と驚くことがよくある。 事務室にいるみなさんは、ミスがない。「ミスがない」というか、ミスしているところを見たことがない。丁寧なお仕事をされている。 事務室にいるみなさんは、思いやりがある。こちら側にミスがあっても(ミスばっかりするのだが……)やさしく教えてくださ

          #83_「事務」をカリキュラムに組み込む?

          #82_「探究」のリフレーミング

          2年前に卒業した高校生たちに会った。この世代は、どっぷりと「探究」に浸かった世代だ。「高校でも探究を!」という気持ちを強くもった人たちが多くいた世代だ。 彼らが高校生になって、はじめて探究している姿を見る機会があった。地域に開かれた授業公開があったので、「地域住民」として参加した。「久しぶりに見にきたぜー」なんてことに絶対にならないように、こっそりと参加した(何か月ぶりにマスクをつけただろう……あんまり意味はなかったけど……)。ありがたいことに、高校で探究を担当している先生

          #82_「探究」のリフレーミング

          #81_「伝えたいことが伝わらない」という前提に立つとき、教師にできることはあるのか?

          教師には、子どもたちに「伝えたいこと」がある。「伝えたいこと」を伝えるためには「言葉」が必要だ。教師は「伝えたいこと」を「言葉」にして、子どもたちに届けようとする。子どもたちは教師が発する「言葉」を聞くことで、教師の「伝えたいこと」を理解する。 こういう図式だ。 こういう図式だからこそ、つまずくのだ。 こういう図式だからこそ、うまくいかないのだ。 こういう図式だからこそ、あきらめたくなるのだ。 この図式は、書き換えなければならない。たとえば、こんなふうに。 教師には、

          #81_「伝えたいことが伝わらない」という前提に立つとき、教師にできることはあるのか?

          #80_言い換えるための条件

          「言い換えてみましょう」ワークショップ 子どもたちがネガティブにとらえている部分を、ポジティブに言い換えてみましょう。たとえば、「頭が固い」だったらどうなるでしょう。(・・・)そうですね、「意志が強い」と言い換えることができますね。これができるようになると、子どもたちは自分を好きになるし、自分に自信がもてるようになりますね。さあ、先生方!どんどんポジティブな言い換えをしていきましょう。 言い換えるだけでいいのか?言い換えればいいのか? 「私は内気で、人付き合いも苦手だ」

          #80_言い換えるための条件

          #79_学校が地域をデザインする

          『病院が地域をデザインする』という本を読みました。たまたまAmazonのおすすめに出てきました。普段は「医療系の本」を読むことはありません。でも、このタイトルに惹かれました。「病院が地域をデザインする」というタイトルを、「学校が地域をデザインする」と読み替えると、学べるところがたくさんあるのではないかという予感がありました。 この本から学べたこと、考えたことを言葉にしてみます。 「病気観」と「学習観」 病気は「治るもの」から「付き合うもの」へと変化してきているとのこと。

          #79_学校が地域をデザインする

          #78_通知表を「つくる」

          「通知表」と聞いて、パッと思い浮かぶのは……? 教科ごとに区切られた表のなかに「教科名」「評価の観点」「観点別評価」「評定」がズラッと並びます。さらに「道徳」や「総合的な学習の時間」の評価が記述され、「特別活動の記録」として、学級での係活動や学校での生徒会活動、学校行事で担った役割が記載され、「出席すべき日数」とともに「遅刻・欠席・早退」の日数が記載され、最後に、学級担任の先生から「所見」が記載される。これが一般的な「通知表」のかたちではないでしょうか。 多くの学校では、

          #78_通知表を「つくる」

          #77_「学習観」が変容する学び

          社会科で自由進度学習を進めています。 単元の導入段階で、子どもたちに「ゴール」を伝えます。「知識・技能」に関するゴールと、「思考・判断・表現」に関するゴール、この2つを設定することが多いです。 たとえば、中学校の地理的分野だと、こんなふうに。 ゴールを示したあとは、子どもたちが計画を立てます。たとえば、こんなふうに。 3時間構成であれば、3時間分の計画を一気に立てます。もちろん、計画は変更されることもあります。 子どもたちは、それぞれ、自分が立てた計画にそって学習を

          #77_「学習観」が変容する学び

          #76_探究のフィードバック

          探究する子どもたちのなかに、教師のところへフィードバックをとりにいかない子どもたちがいます。 何を言われるかわからず、こわいから。 わかります。「いいね」「すごいね」ばかりを言われても、探究は前に進みません。でも、「何を言われるかわからないこわさ」がフィードバック獲得行動を抑制してしまっていることを、教師は重く受け止めなければなりません。どうすれば、その「こわさ」を軽減することができるでしょうか? 私の探究に、他人のアイデアを入れると、私のオリジナルではなくなるから。

          #76_探究のフィードバック

          #75_サッカーをつくる「ことば」

          サッカーをつくる「ことば」をつくっています。 息子がサッカーをしています。毎週末、サッカーの練習や練習試合、公式試合があります。朝から夕方まで、サッカーグラウンドにいることもしばしば。とても楽しい時間を過ごさせてもらっています。 私は応援するばかりですが、妻は息子の食事をつくり、持ち物をチェックし、いろんなトラブルに備えた準備を、いつも万端に整えています。頭が下がります。 そんな妻から、あるとき、ふと、言われたことがありました。正確に再現することはできませんが、おおよそ

          #75_サッカーをつくる「ことば」

          #74_お風呂場談義

          お父さんは、どうして、先生になったの? 今日も、息子とお風呂に入りました。この問いが出てくるまでに、いろんな話をしていました。きっかけは「僕はお父さんと同じ学校には通えないの?」という質問でした。そこからいろいろと話題が発展し、この問いに行き着きました。 お父さんは、どうして、先生になったの? しばらく考え込んでしまいました。そんなこと、ここしばらく、考えたこともなかったし、これまで自分のなかにどんな「答え」を用意していたのかすら忘れていたようだったからです。 こんな

          #74_お風呂場談義

          「聞く」という行為は、話し相手が「聞いてもらえたなあ」という感覚をもってはじめて成立する。

          「聞く」という行為は、話し相手が「聞いてもらえたなあ」という感覚をもってはじめて成立する。

          民主主義を実践するときのサイズ(規模)は大事だ。あまりにもサイズが大きいと、実践の難易度が上がる。まずは手の届く、目の届くサイズで実践を始めてみることだ。

          民主主義を実践するときのサイズ(規模)は大事だ。あまりにもサイズが大きいと、実践の難易度が上がる。まずは手の届く、目の届くサイズで実践を始めてみることだ。