見出し画像

KPI、考えられますか?KPI設計のステップとポイント

「KPI」という言葉。
ビジネスのなかでよく使う、聞く言葉でしょうし、実際に日々それらを追いかけてプロジェクトを進行している方も多いかと思います。

ただ、自分自身がKPIの指標項目や数値を“設計”する立場となった場合、どう考えれば良いのかいまいちピンと来ない方も多いのではないでしょうか?

今回は、KPIを考える際のステップと大事なポイントをおまとめします!



■ そもそも「KPI」とは?

そもそもKPIとは何なのか。
切っても切り離せない「KGI」とともに、まずは言葉の意味を説明します。


「KGI」=Key Goal Indicator
重要目標達成指標と呼ばれるもので、プロジェクトの最終的な目標達成をはかるための指標。

「KPI」=Key Performance Indicator
重要業績評価指標と呼ばれるもので、目標(KGI)に向けたプロセスにおける達成度合いを定点的に計測・評価するための定量的な指標。


超簡単に図示するとこのようなイメージになります。


「KPI」が示す意味や重要性を整理できましたでしょうか?
ちなみに…
KPIを設計する人ではなく、すでにKPIが設定されているプロジェクトに参加されている方々向けに少し話が脱線しますが、上記のようにKPIは“プロセス”の指標になるので、そもそもどういう理屈でそのKPIが設定されているのかをしっかりと理解しておくことがとても重要です。「なぜこのKPIを達成しなければいけないのか」「達成した先に何があるのか」を本質的に把握できると、そのプロジェクトの重要性や日々の業務の意義が腹落ちしやすいのではと思っています。


■ KPI設計のステップ

さて、本題の「KPI設計」に関してです。
KPIを設計するときには、大きく4つのステップで考えることが必要になります。

①最終目標(KGI)と現状とのギャップを把握する
最終のゴールに対して現状のまま進んでしまうと、ゴールとしたいタイミングでどうなっていそうなのかを予測し、ギャップを把握します。
例)「利益目標1億円」というゴールに対して現状のままでは達成できない状況だ
↓↓
②プロセスを整理する
把握したギャップに対して、埋めるために必要なこと=成長させるべきことを整理します。
例)トップラインである売上を増やす必要がある。売上を上げるためのプロセスとしては「ECセッション数を増やす」「広告費を上げる」「CVRを向上させる」「価格を上げる」などが挙げられる
↓↓
③追うべき指標を絞り込む
整理したプロセスを、担当範囲で数値変化させられるものと変化させられないものに分けて、変化させられるものの中から最も重要だと考えるプロセスに絞り込みます。
例)担当範囲として広告業務がある。広告予算は限られているなかで売上増加を実現するためにはCVRの改善が最重要だ
↓↓
④目標数値を設定する
絞り込んだ指標に対して、どの程度の数値目標にするのかを決めます。
その際の意識すべきポイントは次のパートでご紹介!

ちなみに…
指標の絞り込みまでに関しては、下記のようにBtoB営業担当者の例で考えると理解がしやすいと個人的には思っています。


KGIの設定「6月までに売上目標5,000万円」
<プロセスの整理>

売上=受注数×単価 (単価の調整は範囲外)
⇒受注数=商談数×受注率
⇒商談数=アポ数×アポ獲得率
⇒…
<絞り込み>
受注率(打率)は期限までになかなか変えにくいとすると、「商談数の増加」(打席数)が最重要だ
<考えられる打ち手>
・テレアポを増やす
・サイトを分析してもらいリード獲得の増加を図る
・セミナーを主催する
・イベントに参加して名刺交換をする



■ KPI設計において注意すべきポイント「SMART」

さて、冒頭のKPIの意味に戻りますが、KPIは「プロセスにおける達成度合いを定点的に計測・評価するための定量的な指標」でなければいけません。
つまり、上記の【ステップ4:目標数値の設定】が不可欠となります。
KPIを設定する際は、「SMART」の法則に沿って確認することがポイントです。

「S」:Specific(明確性)
具体的かつ明確なものであり、関わる者全員が理解できるような指標になっているか。
例)「売上拡大」だけでなく、「前年比で売上110%成長」と明確にする

「M」:Measurable(計量性)
定期的に、そして定量的に=数値で評価分析できる指標になっているか。
例)「好感度」は質問内容によって基準が変わる、かつ基準が明確にならないので指標として向いていない

「A」:Achievable(達成可能性)
現実に即してチャレンジ可能な目標設定であるか。
例)年間売上1億円の企業が「来期年間売上1,000億円」の目標を設定するのは現実的ではない

「R」:Relevant(関連性)
そのプロセスの達成度合いが変化すると、本当にKGIも変化するのかというように、最終目標であるKGIとの関連性がちゃんとあるか。
例)売上に対して「顧客からの好感度」は、無関係ではないだろうが好感度上昇の結果が売上に直結するかは不明瞭

「T」:Time-bounded(期限性)
現実性や打ち手を考えるためにも期限を定められているか。
例)「売上150%成長」という目標を置くとき、その期限が1年の場合と5年の場合では、現実性も取るべきアプローチも当然変わってしまう

また、KPI設定時には、進捗がよくない場合の対策を事前にある程度定めておくことも大切だと言われます。具体的には、時期(いつ)・程度(どれくらいの進捗率の場合)・施策(どうするのか)を決めておくことです。
広告プロジェクトの場合で例えると、
施策開始後3か月後に(=時期)、KPI進捗が想定より15%低い場合(=程度)、広告費を10%多く投下する(=施策)というようなイメージで、先行して定めておけると改善をスムーズに進められるでしょう。


■ 最後に

KPI設計はプロジェクトの方向性を定め、関係者全員の認識をそろえるためにもとても重要なものになります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。本記事の内容が少しでも頭の整理に役立っていれば幸いです。

よろしければぜひ、スキをお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?