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ちびたの本棚 読書記録「ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介」川瀬七緒

洋服の仕立屋である桐ヶ谷が、その専門知識を活かして未解決事件の謎を解く。
これはそのシリーズの第1作目だ。

服飾のプロの視点から事件を解決する、というのが新鮮だ。桐ヶ谷は服のシワや汚れ、傷み具合などから、着ていた人物の身体的特徴を読み取り、暴力による怪我を負っていることも手に取るようにわかる。
見たくないものも見えてしまうため、彼はその才能のせいで精神的に苦しむことも多い。

染織、ボタン、織、縫製、レース。それぞれの素材にプロの手が関わり一着の服が完成する。また、古美術の世界についても描かれていて、うんうんなるほど…知らなかった!とその世界の深さに驚いた。

桐ヶ谷の住む商店街の面々や、道を極めたさまざまな人々が登場する。今後のシリーズ化のための布石なのかもしれないが、それぞれの来し方のシーンが少々長いと感じた。

とはいえ、ぜひ続編を読みたい。
著者は文化服装学院で学んだという。その知識を生かした読みごたえのある作品だ。





小春 ヴィンテージショップの経営を任されている

ゲームおたく

南雲警部とその部下の畑山


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