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みかさに取りこぼしながら(4)
「わたし、汁茶碗でごはん茶碗を、あれ」
「汁茶碗で、ごはんを。食べるのをやめられ
ないんです。」
「そうそれ」
「納豆のね」
「うん」
「たれ。単独でなめるのも」
「やめられないんです、か?」
「そう、やめられないんです。」
車谷みかさと会話できるようになってきた。
ぼくはハーベストじゃなくて、チーズおかきを差し出せるようになったし、車谷みかさは犬を拾ってからちょっとおとな
みかさに僭越ながら (3)
「ぼくって平熱ちょっと高いんだよね。」
「は」
「からかいの対象になるんだ、平熱がちょっと
高いのは。これまですごい運動をしてきたって
わけでもないのに、運動部でもないのに、みん
なよりちょっとだけ代謝がいいのは。」
「ごめん。トイレ。」
「うん。」
2年生になってクラスが変わってしまったので、
車谷みかさとは疎遠になるはずだったんだ。
でもむしろ
「まこと」
トイレ戻
みかさも然ることながら (2)
「現代社会ていう言葉はさ、現代社会を揶揄する
空気感のこともまとめて指している場合ばかりだ
と思わない?あれよね、批判的思考力とやらの過
度な反応よね。」
車谷みかさは変わった。
「フィジカルというのをメンタルとかスピリット
とか、そういうものと同義に捉えておられる方が
多くいらっしゃるようだけれど、それは全くの反
対で、わかるかしら。物質的、物理的というのが
英語の原義で、身体的、肉体的とい
みかさに及ばずながら
「見てる分には全然いいんだけれど、参加してみたらてんでだめでってこと、ない?蛸ときゅうりの酢の物みたいな。」
なんでそんなに顔を近づけて話すのだろう。
「激落ちくんとか マロニーちゃんとかを、激落ち、マロニーって馴れ馴れしく呼ぶ人と、わたし付き合いたいんだけど、どう思う?大切にされないかな?」
車谷みかさはもうすぐ目的地に着くのにパーキングでソフトクリーム買っちゃうみたいな人だ。見ていてとて