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今年80冊読破した私のベスト3

12月に入り1年あっという間だなと思う今日この頃です。
今年は80冊読破して読書がとても捗った1年になりました。
その中で特に心に残っているお気に入りのベスト3を発表します。

3. しあわせのねだん/角田光代

お金に関する角田光代さんのエッセイが24話収録されています。
「ゆたかであるということは、お金がいくらあるということではけっしてないのだと、その人を見て知った。そういう意味で、まずしいまま年齢を重ねることが、私はとても恐ろしい。」という文章を読んでハッとさせられました。
お金の使い方というと無駄遣いや節約といった如何にしてお金を使わないかに意識が向きがちだと思います。
しかしこの本を読んでお金を使わなさ過ぎて人生経験のない中身が空っぽの人間になるのが怖いと感じるようになりました。私自身使えるお金は多くありませんが節約しすぎて心まで貧しくならないようにうまくやりくりしていきたいです。

2. すいかの匂い/江國香織

あの夏の記憶だけ、いつまでもおなじあかるさでそこにある。つい今しがたのことみたいに――バニラアイスの木べらの味、ビニールプールのへりの感触、おはじきのたてる音、そしてすいかの匂い。無防備に出遭ってしまい、心に織りこまれてしまった事ども。おかげで困惑と痛みと自分の邪気を知り、私ひとりで、これは秘密、と思い決めた。11人の少女の、かけがえのない夏の記憶の物語。
すいかの匂いという爽やかなタイトルとは裏腹に子供ならではの残酷さとゾクッとするような怖さがあり、良い意味で裏切られました。夏になったらまた読み返したいです。

1. 薬指の標本/小川洋子

封じ込めたい思い出にまつわる品々が持ち込まれ、標本として保管される場所である標本室にまつわるストーリーの「薬指の標本」と語り部屋である六角形の外には聞こえない部屋で、自身の内なる秘めた思いを吐き出す「六角形の小部屋」の二本立てです。
怪しげでちょっと奇妙で不思議で独特な世界観が魅力的で引き込まれました。今までに読んだことがないタイプの本で、読書を通して新しい世界観に触れられた気がして、もっと色んな本を読んでみたいと読書熱が再燃した1冊です。今年は小川洋子さんの本をはじめ、色んな本に出合えて幸せな1年でした。


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